刈り取り型マーケティングの限界。長期戦略への転換に必要な体系的な知識
津下本
まず、グロースX導入に至った背景や、当時の事業・組織が抱えていた課題についてお聞かせください。
九島さん
「ヌリカエ」事業は、短期的な成果を追う「刈り取り型」のマーケティングを中心に拡大してきましたが、市場環境の変化やCPAの高騰により、事業の伸び悩みが顕在化し始めていたため、短期的な施策だけでは限界を感じていました。
津下本
先のフェーズに進まれるときだったのですね。
九島さん
はい。今後は、信用や良質な認知をストックしていくような、軸足の長いプル型マーケティングが必要だと感じていました。しかし、この分野の知見が内部には不足しており、具体的な戦略構築の方法が分からなかったというのが正直なところです。
津下本
具体的な実践手段を求めての導入だったのですね。
九島さん
私自身も事業責任者と一緒に戦略を策定する立場でしたが、深く学び、地に足をつけた戦略を作りたいという焦燥感を抱えていました。また、以前から御社CMOの西井さんのセミナーに参加させていただいていて、グロースXの体系的な内容であれば、管理者から現場メンバーまで共通のインプットを得るきっかけになると考え、導入を決めました。
過去の点が線となり「血肉に」。戦略策定力を獲得した個人の大きな成長

津下本
九島様ご自身にとって、グロースXの導入はどのような効果をもたらしましたか?個人の成長という点で詳しくお聞かせください。
九島さん
個人的には、マーケティングの捉え方に自信がついたり、過去の断片的なインプットが改めて血肉になっているのを感じました。以前は「わかった気になる」で終わっていたものが、体系的に繋がり、確信を持って「ちゃんとわかる」状態になった感覚があります。この感覚は、「0が1になったというよりは、すでに断片的には過去に学んだことがあったものが相互に繋がり、改めて文脈に入れ直して、出力を上げられた」というのが近いです。
津下本
まさに「Connect the dots」。知識が相互に接続されたのですね。
九島さん
はい。また、他のサービスで学んでいた際、アカデミックすぎて現場に落とせなかったり、講師によって言語に一貫性がなかったりしたのですが、グロースXは一つの言語で統一して説明されているため、相互の関連性を理解しやすかったです。
津下本
グロースXを受講いただいたことで、実際の事業にどのような影響がありましたか?
九島さん
最も大きな事業的成果は、学びを元に作成したアウトプット(戦略)が、そのまま現行のマーケティング戦略として活用されている点です。グロースXで学んだことを元に事業戦略を策定したことで、中心メンバーの戦略理解が深まり、議論や合意がスピード感を持ってできるようになったことは一番大きいです。これがコミュニケーションのストラクチャーとして機能しています。
津下本
戦略策定が加速し、合意形成もスムーズになったのですね。
九島さん
はい。新しいことをやらなければいけないタイミングでグロースXを学べたのは大きいです。これがなかったら、これまでの感性だけで動いていた時に比べ、相当な紆余曲折を経ていたと感じています。今回の学びによって、プロセスをかなりショートカットできたという実感があります。
チームに浸透した「Who/What/How」。企画の初動と質の向上

津下本
チームにはどのような変化がありましたか?
九島さん
チーム全体としては、特にWho(誰に)、What(何を)、How(どのように)といった単語が、完全に流通する共通言語になりました。これは、受講していたメンバーはもちろん、周囲にいるグロースXをやらなかった周辺のメンバーにまで広がり始めています。
津下本
素晴らしい波及効果ですね。業務の効率化にはつながりましたか?
九島さん
はい。新しいプロモーションプランを立てる時、まず「誰に」から考えるという道筋ができたことで、初動が早くなり、企画の筋が良くなったと感じています。また、上司や上位レイヤーの意見に引っ張られて思考することがなくなり、「Whoから考えないとダメです」という意見が現場から出るようになったのも大きな変化です。
特に新しいチャレンジを続ける当社のような組織にとって、グロースXでの体系的な学びは、今後、メンバーのマーケティング思考の「メインの柱」や「背骨」になると確信しています。
津下本
共通言語が浸透し、チーム全体で事業を次のフェーズに進める準備ができたわけですね。
アウトプットで知識を実用レベルに昇華。事業戦略を生み出す発表会の成果

津下本
学習期間の終わりには、最終的なアウトプットとしてマーケティング戦略の発表会を実施されました。この取り組みで得られた成果についてお聞かせください。
九島さん
最終アウトプットとしてマーケティング戦略を作成したことは、結論、やってよかったと思っています。この咀嚼作業を伴う実践なしには、知識は頭に入らないと痛感しました。
津下本
座学で知識を得るだけでなく、アウトプットを通じて初めて実用できるレベルになったのですね。
九島さん
はい。知識を実用レベルにするためには、ただ知るだけではだめで、いかに自分の頭で考えてアウトプットに落とし、フィードバックをもらうかが重要です。戦略立案のアウトプットは、最終発表までに事業責任者やグロースXのアドバイザーである山口さんを含め計4回のレビューを通しました。
津下本
何度もレビューを受ける中で、戦略の質も高まったのでしょうか。
九島さん
そうですね。このアウトプットを作る中で、マーケティング戦略とは何かというほ本質的な問いに何度も向き合いました。ここに自信を持って答えを持てるようになったので、戦略の質も高まったと思います。また、本当にアウトプットに時間とリソースを投下し、のめり込んで戦略を作成したメンバーは、知識を血肉化し、成果を出すことができました。
このような一連のプロセスを良いタイミングで実施できたのは非常によかったです。
津下本
本日は貴重なお話をありがとうございました。九島様のアウトプットを重視し、事業の戦略策定に直結させるという活用方法は、まさに我々が目指す「理論と実践の接続」を体現したものでした。
九島さん
こちらこそ、ありがとうございました。グロースXの導入を通じて得られた成果を活かし、事業成長に向けて邁進してまいります。

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