AIを「活用する側」に焦点を当てたグロースXの学習内容が最適だった
――まずは貴社のサービスについて教えてください。
山岸さん
長野県を拠点とする地方銀行として、地域経済の発展に貢献することを使命に、個人・法人のお客様に対して幅広い金融サービスを提供しています。また、証券・リース・カードなどのグループ企業と連携し、銀行業務に限らずお客さまの多様なニーズにもお応えしています。
――AI研修を導入しようと思われた背景を教えて下さい。
山岸さん
当行は創立90周年である2021年に中期経営ビジョンを発表し、そのテーマの一つとして「業務・組織のデジタル改革」が掲げられ、デジタル・データの活用により業務効率化や新たなサービスなどを実現すること、つまりDXの推進を明確に定めました。その一環として、全役職員に対するIT・データリテラシー教育に取り組んできましたが、昨今のAI技術の発展を受けさらにデータ・AIの利活用が不可欠であると考えました。その観点からAI人材の育成にも注力することになり、約2年前から新たに「AI人材」の育成に特化した研修の導入を進めていくことになりました。
これからのデジタル時代を考えると、データやAIの活用は不可欠です。また、当行が掲げるデジタル改革を実現するには、AIの活用を前提とした仕組みが必要となります。弊行では、他行に先駆けて2023年10月から生成系AIを導入しましたが、こういった環境が整ったこともあり、まずは本社メンバーである銀行の変革を担うメンバーを中心にAI研修を始めました。
デジタルトランスフォーメーション部が主に企画・運営側を、AI推進室では実務側(研修のサポートとアドバイザー)を担う形で研修を推進しています。
――なぜグロースXを選ばれたのでしょうか?
山岸さん
私がデジタルトランスフォーメーション部に着任したのは2023年7月で、グロースXとは前任の頃からお付き合いがありました。セミナーなどを通じて事業内容を把握しており、「AI活用人材」の育成に特化した研修を検討した際に自然と名前が出てきました。
AI研修は多くの企業が提供していますが、グロースXを選んだ理由は大きく3点あります。
1つ目は、AIを作る側ではなく、AIを活用する側の人材育成に特化した研修という点です。本社メンバーを中心に、AIを活用して自社の変革を担える人材を育成したいと考えていたため、グロースXの「活用する側」に焦点を当てた学習内容が最適でした。受講対象者に習得してほしい知識・スキルが網羅されたカリキュラムだと感じています。
2つ目は、効率的に学習できる点です。
2026年1月に長野銀行との合併を控えており、より強固な組織作りを目指している中、受講者には合併前の早めのタイミングでスキルを身につけ切ってもらう必要がありました。その点、スキマ時間を活用してアプリで学習しながらワークを通じて知識やスキルが定着する仕組みだったため、受講者の負担も少なく非常に効率よくスキルを身につけられると魅力を感じました。
3つ目は、オンラインで行われる「振り返りMTG」というアウトプットがある点です。
これまではPCを使った研修や、講師派遣型の研修をメインに実施してきました。ただ、インプットの量はあるものの、アウトプットの機会は圧倒的に少なかったと感じています。従来の動画視聴型eラーニングでは知識習得に偏りがちでしたが、グロースXはアウトプットを意識した構成になっています。そのおかげで、受講者の実力はアウトプットの量に比例するように身に付いていると感じています。各カテゴリーではこれまで学んだ内容を遡って復習することもでき、知識の定着を促す仕組みが整っているなと関心しています。
研修から生まれた具体的なアイデアが実践に繋がっている例も
――グロースXを導入して、どんな効果がありましたか?
山岸さん
2023年より開始した第1期研修後のアンケートでは、アプリ学習を含めた全プログラムに対する満足度が8割を超え、アプリそのものに限ると約9割という高い評価を得られました。
定性的な面では、受講者から「AI活用と自身の業務との連携を意識することで、業務改善のアイデア出しができるようになった」「(既に導入している)生成AIを利用する機会が増え、AIを理解し使用する環境を構築することが、企業の喫緊の課題であることがよくわかった」「AIの特徴や能力についての理解が深まり、AIに関するニュースや事例を読み解く能力が高まった」といった声が上がっています。
和田さん
最終月に開催されたワーク発表会では、システムへの実装につながる具体的なアイデアも生まれています。AI推進室やDX部だけではたどり着けなかったアイデアや解決策が、企画担当者の学びによって創出されたことは、とても大きな成果だと感じています。
山岸さん
特に第2期生が受講する際に取り入れていただいたのですが、与えられた課題に対して考えるのではなく、身近な課題を抽出してみて、それにどうAIを活用して解決できるのかをワークショップで考えていくというアプローチをしました。身近な課題を考えることでより自分ごと化しやすく、新しく有益な手段だったと感じています。
その影響もあり、研修から生まれた具体的なアイデアが実践に繋がっている例もあります。
例えば、銀行の融資業務において、融資に係るお客さまとの対話をサポートするAIの開発が進んでいます。細かい点は残念ながらお伝えできないのですが、現場の行員が抱える人手不足や育成不足といった課題を解決するために、研修で生まれたアイデアが採用されました。担当者でないと発案されないような現場で活きる企画が、企画担当者の学習によって実現していることは、今回の学習の大きな成果だと感じています。この発案された企画は、2025年度中のリリースを目指して、AI推進室が開発を進めています。
また、身近な例ですと会議の議事録づくりにAIを活用するなど、日々の業務の中でもAIの活用が浸透し、またその活用頻度も高まっているという話も聞いています。
和田さん
受講者からも、勉強した内容が現場業務で役立っている、という声を多く聞いています。
特に、研修でグロースXの講師の方にChatGPTの活用方法を教えていただいたことが、非常に役立っているという声が多いです。実際の業務でどうやって活用するかを思考しながら、プロンプトを実行するワークショップでした。プロンプトエンジニアリングの実践を通じて、業務での活用イメージが明確になったようです。
山岸さん
他の受講者とアイデアを共有する機会もありますから、自分だけでは気づかなかった視点や活用方法を知ることができました。チームで学ぶメリットを実感しましたね。
今後も、本部のメンバーを中心に、1シーズン当たり30名ほどデジタル領域を牽引するメンバーとして実施していく計画です。
グロースXをデジタル人材育成の軸に
――他の方にグロースXをお勧めできる点をあげるとしたら、どういった点でしょうか?
山岸さん
業界を問わず、企画部門や変革推進部門の方々にお勧めです。特に、課題解決を図るためのフレームワークは、実務でも活用できるため、企画部門の方には強く推奨したいですね。
また、グロースXのカリキュラムはAI活用という面だけではなく課題解決力の育成にも大きく効果を発揮できると感じています。ワークショップに先駆けて展開いただいたワークフローシートでは、課題や要点の抽出や、誰に対していつなにをすべきかという具体的な行動に関しても理路整然と整理できるものになっていまして、今回の研修の場だけではなく実務でも活用できるものだと感じています。
――貴社の今後の取り組みについて、教えてください。
山岸さん
デジタル人材育成の5ヶ年方針を策定し、全役職員向けのリテラシー教育だけでなく、役割に応じたスキルセットの育成にも注力していきます。グロースXの研修も継続的に活用し、より専門的な知識・スキルを習得した人材を育成していきたいと考えています。
AIを最大限に活用し、全ての職員がAIありきで営業推進や業務管理ができる組織を目指します。お客様へのサービス提供や地域活動の支援という面からも、AIを活用した最適な提案ができるよう、社内でのAI活用を推進していく予定です。
また、本部には、お客さまのIT活用やDX化を支援するチームを置いています。このチームを中心に、営業店の現場でも、お客様の課題・ニーズをキャッチして解決する手段の一つとしてAIの活用や、お客さまご自身がAIを活用できるようにするご支援も進めていければと考えています。
――今回は貴重なお話をありがとうございました!