Sansan株式会社

専門性を高めつつ、サイロ化を防いで部門間が繋がる組織へ。急成長SaaS「Bill One」がチーム学習で獲得した成果とは?

限られたリソースで最大限のパフォーマンスを上げるためには若手メンバーのスキルの底上げが急務

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―― まずは貴社のサービスについて教えてください。

弊社は「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、営業DXサービス「Sansan(サンサン)」を中心に、アナログな紙の情報をデジタル化し全社で活用させていくテクノロジーを応用して、インボイス管理サービス「Bill One(ビルワン)」、契約データベース「Contract One(コントラクトワン)」など、さまざまな働き方を変えるDXサービスを提供しています。

私が担当しているBill Oneでは、紙・PDFなどの形式を問わず、あらゆる請求書をオンラインで一括受領し、データ化した請求書をクラウド上で管理できるサービスとして、2020年に正式にリリースしました。

サービス提供から4年半でARR93億円(2024年11月末時点)に到達し、さらに2024年からは請求書受領に加えて、請求書発行、経費精算にも領域を拡大しています。

 

―― マーケティング研修を導入しようと思われた背景を教えて下さい。

経営視点と現場視点の軸から、マーケティング研修の導入を決めました。

経営視点としては、高い事業成長率を目指していくために大幅な組織拡大をしてきたのですが、その過程で出てきた2つの課題を解決しなければならないと考えました。1点目は各部門がそれぞれの専門性をさらに高めてパフォーマンスを最大化すること、そしてもう1点は部門間の連携や相互理解を強化することです。専門性が高いからこそ施策の精度を深めることができますし、一方で専門性が高いが故に部門がサイロ化しがちなので、それを防いでより連携を意識した組織作りが大切だと考えました。

現場視点としては、限られたリソース・予算で最大の成果を出すために、特に若手メンバーのスキルの底上げが急務でした。今回受講した30名のメンバーのうち75%が20代〜30代前半で、事業会社でのマーケティング経験や入社歴が浅い者が多かったです。各業務においてはプロフェッショナルではありますが、マーケティング全般の知識やBtoBマーケティング・セールスの全体像を捉えた理解が不足しており、俯瞰して全体感を見据えた思考が弱かったため、強化したいと考えていました。

 

「グロースXはBtoBマーケティングについて包括的かつ実践的なコンテンツが揃っている」

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―― なぜグロースXを選ばれたのでしょうか?

マーケティング関連のカンファレンスやイベントで、グロースXを元々知っていました。経営メンバーの西井さんや山口さんなど、マーケティングの豊富な経験と実績を出している方が監修しているサービスとして興味を持っていて、研修を検討する際には自然と対象に入れていたように思います。

もちろん他社サービスも比較しました。その上で、グロースXを選定したポイントは大きく3つあります。

1つ目は、BtoBマーケティング・セールスについて包括的かつ実践的なコンテンツが揃っている点です。グロースXのカリキュラムは、内容の網羅性と実践的なアプローチにおいて、群を抜いていました。

2つ目は、受講者のインプット・アウトプットを促す体験設計がプログラムに網羅されていた点です。経験が少ない若手メンバーが多かったので、インプットだけでなく、学んだ知識を実際の業務に活かすアウトプットの機会として、月1回の共通言語MTGが設けられている点に魅力を感じました。実際、導入した後で、すぐに実践に繋がるアウトプットのトレーニングができたことは、非常に良かったです。

3つ目は、CS担当から手厚いフォローや伴走が期待できたことです。学習開始前の事前打ち合わせ時から私たちの課題や要望を丁寧にヒアリングしていただき、最適な学習方法や共通言語MTGの活用方法など提案していただきました。これまでも多くの企業のサポートをされている専門の方が、親身に向き合ってくださったので、しっかりと伴走していただける安心感がありましたね。

 

―― グロースXを導入して、受講いただいた皆さんに変化はあったでしょうか?

お客様に対しての解像度が上がり、全員の視点が揃ってきたと感じます。

Bill One事業としてマーケティングを加速し始めたタイミングから使っていたペルソナシートがありまして、それに基づいて施策の設計をしていました。ですが、実態としては形骸化しており、ペルソナに沿った計画や設計ができていませんでした。施策ありきで、後からペルソナを無理やり当てこんでいるような状態だったことに課題を感じていました。

顧客視点・顧客価値を大切にすべき、という思考を身につけることで、「顧客の成功」起点でのマーケティングを改めて土台から作り直す必要性があると実感できました。

顧客に対する解像度を上げることで、より顧客に沿ったコミュニケーションを意識するようになっています。その結果、例えばメールの開封率やホットリードの獲得効率が上がるなど、徐々に変化が起きています。売上に近い定量的なインパクトが出てくるのはこれからになると思いますが、変化の兆しが様々な施策で現れ始めました。

 

―― 他に、どんな効果がありましたか?

グロースXの学習体験自体から学べたことが多くあります。例えば、チーム内でコミュニケーションを深める体験の大切さです。

学習を進めていくと、アプリにアンケート機能が設置されていました。「自社のマーケティング施策では?」「顧客理解について…」といった質問に対する他メンバーのコメントを簡単に見られる仕様になっていますよね。自身の思考だけでなく、自分以外の思考を通して視野の幅が圧倒的に広くなりました。

さらに、月1回の共通言語MTGでも、アンケートを元に具体的な解決策について議論することで、思考するだけで終わらずに実務に活用する意識が定着したと感じています。

Sansan様_【月1回の共通言語MTGでのワークショップで議論した内容の一例】【月1回の共通言語MTGでのワークショップで議論した内容の一例】

 

また、受講後のアンケートによると、GA4などを使って各広告施策の貢献度をもっとみていくことでタッチポイントや顧客のインサイトをもっと深掘りすることができると考えて企画していたり、社内外問わずに情報収集や連携を意識するなど、それぞれの思考を深めて動き出していますね。

Sansan様_【グロースXの受講者へのアンケート結果「印象的な学習や変化を感じたエピソードについて」】【グロースXの受講者へのアンケート結果「印象的な学習や変化を感じたエピソードについて」】

 

他には、アプリで学習している内容で気になった箇所を保存できる機能があり、あとになって見返せるのもいいですよね。1回見てわかったつもりになっていても、ついつい抜け落ちてしまいます。自分だけのチェックリストを作ることで、忘れがちな重点ポイントを複数回チェックして、しっかり身につける学習の習慣化もできました。

また、研修を管理する立場としては、学習進捗ダッシュボードはとても利便性が高かったです。グループやメンバー別に区分けをして学習進捗やアンケート回答結果を確認できます。グループごとに区分けして見られることで効率的に進捗をチェックでき、マネジャー間でもメンバーの学習状況を共有したり、必要に応じたフォローをしたりすることができました。

 

事業成長による分業とサイロ化が進み始めた拡大期の組織に顧客理解とチーム内での共通認識が効く

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―― 他の方にグロースXをお勧めできる点をあげるとしたら、どういった点でしょうか?

ある程度の規模に成長して、拡大期に入ったBtoBマーケティング・セールス組織にお勧めですね。

我々もそうでしたが、組織を立ち上げたばかりのタイミングは、少人数で複数の業務を兼務していることが多いと思います。その分、マーケティングとセールスの距離は近いですし、お客様と直接会話する機会も多いはずです。ですから、顧客理解も進みやすいと考えます。

一方で拡大期に入ると、メンバーが増えていき、結果として分業制に体制が変わります。それぞれの専門性が高まる分、知識・スキルの偏りや部門間の関係性が希薄になりがちです。もちろん、専門性が高まるほど分業にした方が良いのですが、副作用が出てしまうんですよね。

特にマーケティング領域においてはお客様との接点が少なくなりがちで、顧客理解が浅くなり、訴求の検証や施策の効果測定も解像度が粗くなってしまうことが多いのではないでしょうか。

こういった組織は、メンバーみんなでグロースXを学習すると、知識・定義が揃い、部門間の理解が進み、顧客を見据えた思考を意識できるようになると感じています。

 

―― 貴社の今後の取り組みについて、教えてください。

グロースXで学習したことを手掛かりに、色々と挑戦領域を広げています。

1つ目は、組織強化のための取り組みです。全社の取り組みとして2025年はAI活用(AIファースト)を掲げています。AIを活用した業務効率はもちろん、それ以上に新たな価値の創造を進めていきたいですね。また、それを推進するためにメンバーの一層のスキルアップと、次期マネジャー候補の育成も計画しています。

2つ目は、コミュニケーション戦略です。「顧客の成功」起点でのコミュニケーションを体系化し、今後は他のプロダクトでも再現性を持って実現できるように挑戦していきます。従来のマーケティング領域に止まらず、セールスや他の部門とも連携し、事業として一気通貫した対策を打てるような体制にしていきたいです。

グロースXを受講したメンバーを見ていると、既に意思と意図を持ってコミュニケーション施策を企画できるようになってきていますので、その良い流れを強化できるよう、推進していきたいと思います。

 

―― 今回は貴重なお話をありがとうございました!