10年来の信頼関係を培うスパイスワークスのブランドの傾向を掴むディレクション
―――スパイスワークスさんは、ネスレさんなど大手のメーカーの制作をされていますよね。
熊田さん:そうですね。ありがたいことに、ネスレさんをはじめとする、いくつかのメーカーさんとは、かなり長いお付き合いをさせていただいています。なかでも、ネスレさんは10年以上と、長くお付き合いをさせていただいていています。
―――制作実績のページを拝見しましたが、大学からのお仕事も多いのですね!
熊田さん:大学関係のお仕事もいただいていて、今は、メーカー系と教育系の2本柱でお仕事をお受けしていますね。
大学の学生さん向けのアプリなどのご相談をいただくことも多く、システムだけでなくUIやUXなど、デザインの力でどうにかできないかと、デザイン力を試される依頼をいただくことも多いです。
―――長期にかけて依頼をいただくことが多いとのことですが、なにか工夫されていることはありますか。
酒主さん:ブランドの傾向を掴むことを意識していますね。言葉になっていなくても、これまでの判断や選択から、ブランドの傾向を掴んで、これからブランドをどうしていきたいのかを想像するようにしています。10年など、長い期間のお付き合いになると、ブランドの担当者も入れ替わっていくのですが、逆にスパイスワークスが伴走してきた身として、ブランドのこれまでと今の状態をお伝えさせていただくこともありますね。
新米ディレクターを一流に育てる、ペアディレクション制度
―――ブランドの傾向を掴むとは、プロの技ですね…!酒主さんはずっとディレクターをされていたのですか?
酒主さん:いえ!実は、これまでは、ウェブデザイナーや大学教授の助手など、デザイナーの仕事をしていたんです。ディレクションという仕事もできるようになりたいなと思い、募集があったスパイスワークスに入社しました。
―――そうだったのですね。ディレクションは、メーカーさんのニーズを伺いながら、デザイナーさんに要件を伝えたり、スケジューリングしたりお仕事ですよね。実際にディレクターのお仕事をしてみてどうでしたか。
酒主さん:デザイナーの経験があった分、修正にどれくらいの日数がかかるだろうということがある程度分かったりと、デザイナーとのコミュニケーションはスムーズにできましたね。
一方で、メーカーさんとのやりとりは、新鮮でしたね。以前ウェブデザイナーの仕事をしていたときは、社内の制作物をつくるのが仕事だったので、ずっと同じ世界観のなかでデザインをしていたのですが、今は、ブランドごとに世界観が異なるので、それぞれのブランドの価値観、大切にしているものに合わせて、都度コミュニケーションを変えていく難しさが、最初はありました。
―――そこからどのようにして、ディレクタースキルを習得されたのですか。
酒主さん:ペアディレクションという時期が2年間くらいあって、先輩が1人ついてくださって、「同じことでも何回でも聞いていいよ」という期間なんです。かなり細かい質問などもできて、ペアディレクションを通して、本当にいろいろなことを学ぶことができました。
ペアでシェアされていた経験や知識を、グロースXでチームのナレッジに
―――新米時代にはとても心強い制度ですね。今もペアディレクションの制度はあるのですか?
熊田さん:今は、形を変えて、ディレクターグループを半分に分けた「提案部」というグループを作っています。ペアディレクションの困っていることや悩んでいることを相談できる場所という要素を引継ぎながら、ペアからグループにしたことで、案件を超えて相談できるようになりました。
―――より充実した提案ができそうですね。
熊田さん:長いお付き合いがあるメーカーさんが多いからこそ、そのことに甘んじず、初めて提案が通った時の気持ちを呼び戻して、積極的に働きかけていく必要があると思っていて、いまは積極的に提案すること、つまり「行動」をチームとして高めていきたいと思っています。
これまで、個人によって行動の積極性や、経験、得意な業界などが様々だったのを、「提案部」の活動などを通して、共有しあえるチームを作っていくことに注力していますね。
熊田さん:そこで、これまでメンバーがそれぞれ案件を進める中で、断片的に習得していたデジタルマーケティングのスキルを紡ぎたいと思っていたときに出会ったのが、グロースXでした。
酒主さん:ディレクターごとに、知っていること、知らないことが違ったんですよね。また、そもそもデジタルマーケティングの全貌も見えていませんでした。
熊田さん:会社全体で、足並みを揃えて学ぼう、というのはグロースXが初めてなのですが、デジタルマーケティングの全体像を見ながら、これまで、断片的に習得していた知識をチームでつなげていけたらと思い、導入を決めました。
目まぐるしいデジタル化。最新のデジタルマーケティングを学び、クライアントをリード
―――導入いただいてから5ヶ月が経ちましたね。酒主さんはどのように学習を進められていますか?
酒主さん:休憩時間に進めたり、業務をしていて集中が切れてしまった時に、切り替えに1チャプターだけ進めたりしています。ちょうど案件でグーグルアナリティクスに挑戦しているというのもあって、先にグーグルアナリティクスについて学習できる3ヶ月目を進めてしまっています。他の教材と違って、ここ学んでないと次に進めない…というしがらみがなく、学びたいところから学ぶことができる構成になっていて、助かっています。
酒主さん:グーグルアナリティクスは以前も使っていたのですが、しばらく見ていない間にボタンの位置が変わっていて、あれ?どうやって使うんだっけ?って、やり方がわからなくなってしまったんです。マーケティングツールって、結構アップデートが頻繁なので、グロースXを開けば最新の情報で学び直しができるというのは、安心感があります。
―――常に最新の情報で学習をしていただけるよう、本でもなく、動画でもなく、情報の更新をフレキシブルに行うことができるアプリという形態を選んでいます。グロースXの強みでお役に立てたようで嬉しいです。
―――グロースXを利用してから、チームに変化はありましたか。
熊田さん:クライアントの担当者さんが、最近だとデジタルマーケティング部の方が多く、月に1回あるクライアントとの打ち合わせのなかで、デジタルマーケティングに関する話ができることが増えてきました。それに対して、メンバーが都度各々の方法で学習して話についていっていたのを、グロースXを通して確かな知識をつけることで、自信をもって話をリードできるようになりました。
例えば、SNSキャンペーンのページ制作することも多いのですが、せっかく良いキャンペーンページができても、集客がうまく行かずに、キャンペーンがうまく行かない時があったりして、制作会社としてやるべきことはしたけど、クライアントさんが喜んでいない状況に対して、何かできないかと思っていました。
グロースXでデジタルマーケティングを学んだことで、集客についてもクライアントと一緒に考えることができるようになって、クライアントの本当のニーズを叶えることができるようになりつつあると感じています。
最近だと、他の制作会社も、ただ制作をするだけではなく、集客であったり、制作+何かで提案をするところが増えているので、グロースXを通して増やした視点は、スパイスワークスの強みに変わっていくと感じています。
グロースXで培ったチーム力で、自分のアイディアをプラスオンして提案できる会社に
―――月ごとに1つのプログラムを学習するグロースXですが、スパイスワークスのみなさんは、毎月学習をしっかり終えられていますね。社内で声がけなどをされているのですか。
熊田さん:特に声かけはしていないですね。ただ、毎月月初に、前月の学習を振り返る会議はセッティングしています。気になった学習項目や、学びをどのように実践に生かしていくかを発表しあっています。
酒主さん:この会議で話すことも考えなくては、と思うと、学習を期間内に終えられる社員も多いのだと思います。私も早く進めないと。
熊田さん:月末は、利用率がグーンとあがるんですよね。管理画面でこういうグラフが見られるのも面白いです。これからは、もっと実践につなげていきたいと考えていて、来月以降は、クライアントを題材に、具体的にどんな提案ができるかを考えたいと思っています。
ただもうすでに、成果は見え始めていて、「そういえば、グロースXでこういうこと書いてあったけど、クライアントさんはあのことを言っているんじゃない?」みたいな会話が社内で生まれていて、「グロースXでみんなで学んだ」という共通の経験ができたことにより、意見交換がしやすくなっていると感じています。
これまでは、依頼されたことに応えることでクライアントの予想を上回る結果を出すことを目標にしていたのですが、自分で考えたことをプラスオンして提案できる会社になっていきたいですね。それによって、さらに信頼を得て、強い信頼関係があるからこそできるデザインを生み出していきたいです。
(インタビューご協力:株式会社スパイスワークス様)