リモートワークで生じた「コミュニケーション不足」と、メンバーの入れかわりによる「言語と価値観のズレ」
ーまずは貴社のサービスについて教えてください。
ゲオホールティングスは、総合リユースのセカンドストリート、モバイル・レンタルのゲオを中心に事業を展開しています。
全国2000以上の実店舗に加え、オンラインの領域においても様々なサービスを展開しています。
私が所属しているのは、 WEB事業部というグループ戦略を作成し牽引していく部署です。リアル店舗で培ってきた業態から、いかにWEBを活かしてお客様にサービスを拡大していくのか、という戦略を練っています。
ーマーケティング研修を導入しようと思われた背景を教えて下さい。
マーケティング研修を導入しようと思ったキッカケが、大きく2つあります。
1つ目は、テレワークを主体とした働き方の中で、チームメンバー同士で顔を合わせる機会がなかなか無くて、コミュニケーションの場を欲していました。
テレワーク自体は以前から勤務体系として取り入れていたのですが、コロナ禍で一気に浸透しました。そんな中、人事異動などでチームメンバーの多くが入れ替わることになったのです。特に第3回目に受講したメンバーは、中途採用者が多くなり、お互いこれまであまり会話をしたことがなかったのですが、とにかく、そうした環境下で業務を進めることになりました。それぞれの担当領域は異なるため、日常業務でも直接話をする機会が少ないんです。
もちろん各業務は密に連携していますので、より現場でのコミュニケーションが活発になるような何かしらの施策を打ちたい、という想いがありました。それがマーケティング研修だったのです。
2つ目は、先ほどの話の通り、事業拡大に伴い中途採用のメンバーが増えたことで、改めて言語と価値観のズレをすり合わせたいという想いが強くなりました。
WEB事業部に新たなメンバーが加わったのですが、それぞれ過去のスキル、キャリアー例えば事業会社側が長いかパートナー側が長いか、などの経験値が全く異なっていました。事業会社でオンライン施策の経験を徹底的に積んだ人もいれば、eコマースのパッケージ制作の経験を積んだ人、マーケティングのコンサルティング会社で様々な経験を積んだ人もいます。
そうした影響で、ある程度の用語は伝わるのですが、戦略や施策の細かい話を詰めていくと、個々でイメージが出来ない・よく分からない部分が出てきました。知識の波といいますか、得意・不得意分野のブレが大きく現れました。もちろん、それぞれのメンバーには、プロフェッショナルとしてのスキルを期待していますが、ある程度の土台となる知識は揃えておきたかったんです。
目線を合わせてみんなでステップアップしていくために、外部のお力をお借りしよう、と決めまして、グロースXの導入に至りました。
毎朝1時間の「グロースX時間」毎日アウトプットし、みんなで議論することで、自分ゴトに落とし込む
ーなぜグロースXを選ばれたのでしょうか?
スマホアプリを使って1日10分程度で学習できるプログラムで、日々忙しい業務の隙間でも効率的に知識を身につけられる点が良くて、グロースXを選びました。
グロースXには、学習内容をチーム内で共有し議論する仕組みが設けられています。単なる個人学習に留まらず、チーム全体で知識を深めることができる点が魅力でした。
特にチャット形式で進む学習スタイルは、店舗出身でPC操作に慣れていないメンバーでも違和感なく取り組める点が魅力でした。「普段使い慣れているコミュニケーションツールと使用方法が似ているから、自然と学ぶことができた」と受講者からも好評でした。
ーグロースXを導入して、どんな効果がありましたか?
特に大きかった効果としては、メンバー間の基礎知識のレベルが揃ったことです。
毎日コツコツ勉強することでマーケティング領域に関する基礎知識が全員に浸透し、「F2転換率」などの専門用語も理解できるようになり、スムーズな議論が可能になりました。基礎が揃った結果、例えばある施策の議論をする際に、その領域には詳しくないメンバーに対する説明コストがかなり軽減されたと感じています。
【共通言語MTGでのワークシート一例】
次に、コミュニケーションも改善できました。
グロースXを導入すると月1回実施してくれる「共通言語MTG」により、部署内の連携が強まりました。これまで接点の少なかったメンバー同士が議論を活発に繰り広げて、新たな視点やアイデアが生まれる場となっています。以前受講していたメンバーと新たに受講したメンバーの間でも、視点が揃い議論の内容がより深まっているようです。
2021年からグロースXを導入しこれまで約40名近く受講している中で、2024年4月から学習したメンバーは毎朝1時間の「グロースX時間」を設けました。この時間帯で、決められたコンテンツを毎日学習するだけではなく、学習した内容に対するアウトプットをしてもらいました。学習するだけですと、「わかったつもり」になってしまうかもしれません。毎日アウトプットし、みんなで議論することで、自分ゴトに落とし込むんです。
月に1回の共通言語MTGだけでなく、こうした毎日のコミュニケーションを重ねることで、意思疎通がスムーズになるだけでなく、ちょっとした相談をし易い関係性も出来つつあります。
また、「勉強する習慣」が根付いた結果、自主的に新たな知識を吸収しようとする姿勢が部門内に広まりました。受講者全員がITパスポート資格を取得するなど、成果としても目に見える形で現れています。
日々ご一緒している外部パートナーとの連携の強化も感じますね。基礎知識レベルの向上により、外部パートナーへの依頼精度やフィードバック能力も向上しました。その結果、日々改善を重ねながら、より高度なマーケティング施策が出来つつあります。
「グロースXで身につけたマーケティングの素地が、現場の課題分解や解決にとても役立っている」
ー他の方にグロースXをお勧めできる点をあげるとしたら、どういった点でしょうか?
一番の推しポイントは「スマートフォンで出来る」ことだと思います。
これまで勉強に馴染んでこなかったメンバーや、仕事でPCを使う機会が少ないメンバーにも勉強してもらうために、違和感なく取り組むことができることが非常に重要だと感じています。
僕は小売業に関わって長いですが、本部の経歴が長いのでPCは得意な方だと思います。一方で、PCをそこまで使いこなしていないけれど、そろそろマーケティングをやらないといけないと課題を感じている企業さんも、多くいらっしゃるはずです。そういった企業さんにとって、一番導入しやすくてかなり効果を感じやすいんじゃないかと思いますよ。
さらに、コミュニケーションを取りながらチームで学んでいくスタイルが、組織に定着するのも良いですね。
勉強するだけだと、学んだ知識を自分の業務で使いこなすまでは至りません。ただ、一緒に勉強する仲間同士で言語化して会話して議論を重ねて、そうしたコミュニケーションを取りつつ、お互いの認識を揃えていくんです。一人で勉強するのではなく、チームで一緒に学習する、という大きな効果の一つだと思います。
ー貴社の今後の取り組みについて、教えてください。
グロースXで勉強した内容を土台にして、新たに入社するメンバーへの教育や既存メンバーとの知識共有と社内に向けての変革の牽引を進めていく予定です。
グロースXを学習したWEB事業部のメンバーには、各事業の変革の「核」となるように各部門に異動してもらっています。こうした取り組みを、この数年重ねています。冒頭でお話した、部内に新しいメンバーが増えたのも、実はその影響です。異動したメンバーの空き枠に、新たな人材を採用しています。
異動したグロースX卒業メンバーは、各部門で事業の改善・変革を担ってもらっています。彼らと定期的に情報交換している中で、「グロースXで身につけたマーケティングの素地が、現場の課題分解や解決にとても役立っている」という声をよく聞きます。
このような定期的なジョブローテーションによる人材の入れ替わりが頻繁な環境下でも、「共通言語」が機能する知識基盤を社内で維持することで、組織全体としての競争力を高めていきたいですね。
また、こういった単発な動きに留まらず「学んだ内容を自社業務へどう応用するか」を考える文化を醸成して、自発的かつ持続的な成長を目指していきたいです。「新しいビジネス領域で成果を創出できる人材育成」こそ、私の、そしてWEB事業部の使命だなと感じています。
ー今回は貴重なお話をありがとうございました!