やまやコミュニケーションズの事業について
―― まずは貴社のサービスについて教えてください
みなさんご存知の明太子の販売については、店頭とECの双方で展開しています。また、九州だけではなくエリアを広げて外食サービスも展開し、もつ鍋など九州ならではの料理をたくさんの皆様に楽しんで頂ける環境をお届けしています。
ビジネスを伸ばすために、これまで私自身は社外のセミナーや勉強会に参加したり、社長同士のコミュニティで教えてもらったり、満足しているお客様側のご意見を聞いたり、外部のコンサルタントの方に聞いたりして知識を得てきました。
マーケティング人材になることで、事業の全体像を俯瞰できるようになる
―― 様々なBtoC施策を検討・実施されてきたんですね。そんな中で、なぜマーケティング領域の人材育成に興味を持たれたんでしょうか?
直接マーケティングの実務に関わっていないメンバーでも、事業の全体を見られるようになって欲しかったんです。そのためには、マーケティングの知識が必要だと考えていました。
狭義ではなくて広義でマーケティングの全体像を理解できるような教育ツールを探している中で、グロースXを見つけました。
グロースXを活用して広義でのマーケティングを理解することで、商品開発や営業など、部署を越えてマーケティングについて考えるキッカケになりました。全然関係ない部署のメンバーでもアイデアを出して提案する、といった社内でのコミュニケーションも生み出すことができたんですよ。
弊社はD2C(「Direct to Consumer」の略。「製造者がダイレクトに消費者と取り引きをする」こと。)ですから、お客様目線で考えられるように、今後も社員みんなで勉強していきたいと思っています。
マーケティングを広義で学び、体系的に理解できるのが、グロースXだった
―― なぜグロースXを選ばれたのでしょうか?
最初のきっかけは、広義でのマーケティングに取り掛かりたいなと考えている時に、九州で開催されたイベントでグロースXの西井さんの講演を聞いたことでした。講演をお聞きした後に他の九州の企業の方々とお話していたところ、グロースXを導入されている方からお薦め頂きまして、非常に興味を惹かれて問い合わせました。
実際に導入してみると、内容自体は難しくないし、でも毎日やっていくと積み重なって学習できる確かな感覚がありました。一人一人が自分のペースで進められるのもよかったですし、みんな同じレベルで議論できるようになりました。全員で共通認識が一致し、共通言語化が進んだのもよかったと感じています。
研修担当からは「まずは30名くらいで」という意見もあったんですが、どうせなら全員で取り組みたかったんです。組織課題だからこそ、全員で学習する意味があると思ったんですよね。
結局は、全員ではないものの、社員の大半である120名で利用させて頂きました。この人数が、共通の教材で勉強できることは、とても貴重だと感じています。
あと、コンテンツ内に出てくるアンケートも活用していました。誰がどんな発言をしたか見えてしまうので、気を抜けないんですよね(笑)。
私(社長)の進捗やコメントはみんなが見ているので、遅れたらまずいな、変なことは書けないな、と思いながら頑張っていました。
―― 実際に、組織のマネジメントクラスの方がご一緒に受講されて頑張って進めて頂いているケースは、他の受講者の方も刺激を受けながら受講されていることが多いですね。
こういった施策は、導入を決めた上の人間がやりきらないといけないですよ。
受講したメンバーは割と真面目に正直に回答してくれていたので「最近はやる気が出ない」といった内容もあって、それを見た時にはさりげなく声を掛けるなど、フォローのきっかけにもなってよかったです。
よく社内アンケートでメンタルヘルスについての質問ってあるじゃないですか。あれだとあまりにダイレクトすぎてみんな構えてしまいますが、グロースXであれば自然に語れるというか、わざとらしくない自分を出せるようで、とても助かりました。
学習内容については、販売員など店頭に立っているメンバーには難しいカリキュラムもあったと思います。それでも若手のメンバーが「久しぶりに勉強して、(これまでも勉強してきたけれど)まだ勉強して成し遂げられるものがあるんだ、と気づいた」という話を聞いて、すごく嬉しかったんです。グロースXを通して自分自身で成長を実感できたことは大きいですね。
また、分析ツールでお客様の行動を検証していて、「やっぱり、我々自身がお客様に直接会って声をしっかり聞いていこう!」という意識をみんなで揃って持てるようになったこともポイントです。
もちろん、カリキュラムの中には今の業務に直接関わらないこともありました。ただそれを学ぶことで、自分の業務から少し離れた部門でこんなことが起こっているんだ、それがこんな風に繋がっているんだ、と感じてもらえたんじゃないかと思っています。
―― グロースXを導入する際、他のサービスも検討されたんでしょうか?
マーケティングを学べるツールを探してはいましたが、求めている内容を満たしたのがグロースXだった、という感じでしょうか。
アカデミックに寄った研修や、よりコアな専門知識を得られる教材はありましたが、そういったものを求めていた訳ではないんです。按配が、グロースXはちょうどよかったんですよね。
もちろん、業務の負荷になりすぎるのも困りますので、スキマ時間にスマホを使って自分のペースで進められる、というのも大きなポイントでした。PCを開かなくてもできる、それだけで気持ちが楽になりませんか?(笑)
私自身は移動が多いので、移動中や新幹線・飛行機を待っているほんのわずかな時間でも進められたのがとても良かったです。PCを出すほどの時間は無いけれど、手持ち無沙汰なタイミングってあるじゃないですか。そんな時にちょうどいいんですよね。
―― 学習を続ける(グロースXを実践する)上で工夫したことはありますか?
他のチームの進捗や、共通言語mtgを通して実践している内容などをまとめて、社内報でみんなに紹介していました。
そういった場で取り上げることで、「誉」を感じてくれる社員が多かったんです。人事評価とは異なる場面で、頑張ったことを評価する体制、みんなで称賛し合える文化にも繋がったと感じています。頑張っている例やうまくいっている例を見ることで、それぞれの学習に対する姿勢もどんどん磨かれていったと感じています。
グロースXを学ぶことで、越境した”相互理解”が深まり、共通認識ができた
―― グロースXを導入して、どんな効果がありましたか?
部門をわたって、業務を明確に定量・定性で表現できるようになったことでしょうか。
例えば営業部門ですと、「XX件中△△件でこういった状況なので、今月はこんな結果になりそう」と、事実と推測をある程度高いレベルで表現できるようになりました。
また、ちゃんと“やり方”が分かった、というのも大きいですね。例えば、ABテスト。比較して、どんどんクリエイティブを磨き込んでいく。多くの方が知っているでしょうし、我々もこれまでやってきました。なんとなくやっていた施策が、精度を高めて検証できるようになったと感じています。ちゃんとできるようになった、という印象です。
昔よりできることが多くなった。つまり、やらなければいけないことも多くなっていると思うんです。もちろん中には自動化できるものもあると思いますが、みんなで少しずつスキルアップ・ベースアップしていくことで、その膨大な”やらなきゃいけないこと”をフォローし合えるようになるのではと考えています。センスだけではなく、属人化しすぎず、ちゃんと情報に基づいた判断ができるようになるんです。
改善のスピードも、圧倒的に上がりましたね。具体的には、お客様とのコミュニケーションツールの見直しを行うことで、ユーザー数は約40%増、売上10%強増、セッション数は20%以上の増加が見られました。また定性面では、お客様や工場など、立場や部署を越えた方の想いを汲み、自身の業務にどう繋げられるのかを考えられるようになっていると聞いています。もちろん他にも様々な改善が行われ、いくつかは今でも継続できているのは大きいですね。
―― 受講生からのコメント①
私は前職がWEB関係の職だったこともあり、ある程度はデジタルマーケティング関連の言葉がわかるんです。ただ、お客様先だと言葉がわからないことで会話が噛み合わないことがあり、敢えてそういった言葉を使わないように気をつけていました。やまやに入社したばかりの時は、同じようにマーケティング用語では分かり合えないかな、と思っていました。ただ、グロースXの導入から時間が経つにつれて、みなさんが異様なくらいにマーケティング用語や考え方を使いこなされていったんです。びっくりすると共に、とてもコミュニケーションが取りやすくなったことを覚えています。併せて、気が抜けないな、とグロースXの勉強にも気合いが入りましたね(笑)。
―― 受講生からのコメント②
私はECの部署にいるんですが、他の部署のみなさんにEC部署のことを分かってもらえるようになったことが、嬉しかったです。
それまでは、「ECの部署って忙しそうにしているけど、何をやっているんだろう?」と思われていることが多かったんですよね。グロースXを学ぶことで「こんなことをしてたんだ、それは忙しいよね」とわかってもらえるようになりました。本音の部分で話せるようになったと言いますか、お互いに理解しながら尊敬し合えるようになった気がしています。
―― グロースXの学習成果の表現として、半年に1回成果発表会を開催されたとお聞きしました。
それぞれの部署ごとにチームを作って、学習内容をどう業務に落とし込むのかを実践し、発表してもらいました。
前期は新卒チームが、後期は外食チームが優勝しました。
新卒チームは、外部のイベントに出展する際に、実際に出向いてお客様のヒアリングを徹底的に行っていました。イベント会場に赴き、お客様に声をかけて実際のご意見を聞く。簡単に感じますが、実際にはなかなかできることではありません。「素直にちゃんとやった人が、できるようになる」というシンプルなことなんですが、それを彼らが身をもってしめしてくれたんですよね。前期に優勝したことで、先輩社員達も「こうしてはいられない」と気合いが入ったようでした(笑)。
後期に優勝した外食チームは、店舗の立地ごとにお客様のペルソナを徹底的に洗い直したんです。これまでもお客様層の分析はしていたんですが、細かく分けてみると、ビジネス街の店舗と週末にも混み合う店舗は異なっていたんです。例えば、週末にお越し頂くお客様が多い店舗は、注文いただくメニューが高価格帯で、一部のメニューに固定化していました。
であれば、メニュー数を敢えて絞ったコンセプト店を作ってみる、という手もあるわけです。それを店舗ごとに、回数を重ねて検証することで、お客様にとっても使いやすく楽しんで頂きやすく、我々も効率的に良いものをお客様に提供できるようになります。今後は店舗展開の際にも、そういったペルソナ分析からのコンセプトメイクにチャレンジしていきたいと思っています。
知識ややり方が標準化すればするほど、社内で年齢やポジションじゃない下克上が起きるようになって、ほどよい緊張感が生まれてきます。これからは、暗黙知のままあまり顧客に向き合ってこなかった先輩よりも、素直にお客様に向き合った新人の方が成果を出せる、頑張ることが正しく作用する世界になっていくんではないでしょうか。
そしてやはり、経営層の言葉が通じるようになりました。これまでは社長が何か言っているな、という感じだったと思うんですが、マーケティングを学ぶことで、経営や部門間の流れに以前よりは関心が高まっているように感じます。社員がロジカルな考え方を身につけられましたし、言語化できるようになったな、と思います。
学習することで得られた知識と達成感を、さらに拡大できるように。
―― 他の方にグロースXをお勧めするとしたら、どうでしょうか?
経営メンバーが他社の皆さんと交流している中で、「うちはグロースXというマーケティングの研修をやっているんだ!」と言っているみたいなんです。それだけ、他社にも勧めたいし、グロースXで学習したことに自信をもっていられる。そんなサービスだと思います。
学習を通して、毎日の業務に追われながらも「買い続けて頂くにはどうしたらいいだろう」と全員が考えるようになったことは、とても大きな効果を生んでいくと思っています。
―― 今回は貴重なお話をありがとうございました!
(インタビューご協力:やまやコミュニケーションズ 様)