平均年齢は27歳。若手社員への権限移譲を推進する組織
――まずはお二人の自己紹介をお願いできますか?
間山さん:私は2012年にレバレジーズに入社し、今年9年目になります。現在は、主に若年層に向けた就職支援サービス「ハタラクティブ」や障がい者の就労を支援する「ワークリア」を運営している、ヒューマンキャピタル事業部の責任者を務めています。
永井さん:全社の組織開発と人材育成を、リーダーと私の2名体制で担当しています。レバレジーズには2020年7月に中途入社したのですが、前職では、組織人事コンサルティング会社で大手企業様向けのコンサルタント等を経験しました。
――レバレジーズさんと言えば、若い社員の方が活躍されている組織という印象があります。
永井さん:当社は現在1,100名以上の社員がおりますが、その平均年齢は27歳(※2021年5月時点)です。
間山さん:新卒を積極的に採用しているため、平均年齢は若いですね。当社は「自由と責任」の文化のもと、権限委譲をどんどん行っていますので、自分が成長できる環境を求めて入社される方が多いと思います。
ルールで規定をされた仕事をするよりも、各々が責任を持って働くことが理想だ、という考え方がベースになっていますね
「自由と責任」の組織文化のもと、一人ひとりの成長を後押し
――「自由と責任」に基づいた組織づくりという観点から、権限委譲の他に意識されてきたことはありますか?
間山さん:自律的なキャリア形成のため、様々なポジションに手を上げられる環境を提供しています。異動の希望、キャリア、モチベーションについてなど、社内アンケートも積極的に行っていますね。
私が入社した頃は、社員数も100名ほどでしたし、「この会社の可能性にかけて」入社する人がほとんどでした。しかし最近のアンケートを見ていると、組織や事業が拡大したことで、「機会を求めて」入社される方の比率が少しずつ増えていると感じています。
ただ「当社の社員は皆よく勉強する」ことは、昔から変わらないですね。良いことか悪いことかは別にして、代表の岩槻が一番勉強していると思います。
――創業以来、成長を続けていらっしゃいますが、人材育成に関する課題はありますか?
永井さん:これまでも様々な人材育成施策を実施してきましたが、それらの施策が線ではなく点になっていることが課題でした。そこで、昨年度から「レバレジーズグループとしてどのような人材を育成していくべきか」という上段の部分から考え直し、育成体系のブラッシュアップをしました。
ブラッシュアップしたポイントは主に3点あります。1点目は、新卒を含む若手の成長をフォローし、強化することです。これは、若手が多い当社にとって、彼らの成長が企業の成長をより加速させる一因になると考えているためです。今までも力をいれていた部分ではありますが、より強化していきます。
2点目は、新任リーダーの育成です。当社では社会人2、3年目など、経験が少ない中で管理職になる社員がとても多いです。マネジメントは経験から学ぶことが多いのは事実ですが、経験の質を高め成長スピードを早めるために、具体的なスキルセットやマインドセットを新任リーダーの段階で手厚くフォローします。
3点目は、その更に上の上級役職者にもきちんと成長の機会を提供していくことです。上級管理職になると、一人ひとりの課題感が職種や立場によって大きく異なってくるため、サーベイ等で課題を明確にし、個々に合った機会を提供できるように整えていきます。
――社員の方へ向けた、学習サポートの制度なども用意されているのですか?
永井さん:ビジネス一般知識・スキルが学べる動画学習アプリや、マーケティングや経営戦略などを学べる通学型のビジネススクール、オンライン英会話などの学習支援制度を設けています。
基本的には学びたい意欲がある方に受講していただきたいので、公募の形で募り、審査に合格した方に機会を提供しています。
「オールインハウス」の組織に必要なのは、職種ごとの相互理解
――今回、グロースXを導入いただいた背景について教えていただけますか?
間山さん:当社の組織の特徴として、「オールインハウス」、つまり社内にマーケターやエンジニアなどあらゆる職種を抱えて、自社で事業に必要なものすべてを内製化できる体制を持っていることがあります。
その上で「営業は営業だけを知っていればいい」「マーケターだけがマーケティングのこと知っていればいい」ということはなくて。職種ごとの相互理解を深めることで、オールインハウスをより機能させていくという考え方をしています。
こうした背景から、営業がマーケティングを体系的に学習できる機会を設ける必要があり、今回、主に営業職を対象として、グロースXを導入しました。
受講者については、事業責任者クラスの人間に指名してもらい、結果的には12部署から計50名が集まりました。主に、マネジメントや戦略立案に関わるレイヤーの人間ですね。ほぼすべての人が何らかの役職者についているメンバーになります。
――マーケティング学習といっても様々なサービスがありますが、グロースXを選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
間山さん:正直なところ、価格と価値のバランスがフィットしたこともありますが、「自分で進める」学習スタイルが、当社の「自由と責任」の文化に合っていたことも大きいです。
講義形式のカリキュラムですと、参加者全員の時間が拘束され、その分コストが掛かってしまいますので、自分のペースで進められることや、自分の課題に合わせて時間のかけ方を調整できることが魅力でした。
チャット形式で、自ら手を動かす「煩わしさ」が知識の定着を生む
――運用にあたって、工夫されたことはありますか?
永井さん:基本的に、毎週進捗状況を視覚化して、受講者の方にお知らせしていました。
また、Slackに受講者向けのチャンネルを作成し、そこに間山さんのような役職者の方にコメントを投稿してもらいました。例えば「今月のカリキュラムは営業の仕事にすごく役に立つよ」といった、受講のモチベーションを上げるようなコメントですね。
間山さんと、もう一人参加している事業責任者とで、勝手にランキング争いもしていたんですよ(笑)
間山さん:当社の場合、グロースXの学習ランキングの上位者は、事業部長などのある程度の階層以上の役職者が多かったんですよね。
私は自分がランキングで1位になった瞬間に、その画面スクリーンショットを「今1位です」みたいな感じでシェアしていました(笑)。ランキングで評価されることで、自分自身のモチベーションにもつながりましたね。
――素晴らしいですね!ランキング上位を維持する秘訣はありますか?
間山さん:グロースXは隙間時間にできるカリキュラムなので、電車通勤の時間などをうまく利用することでしょうか。リモートワークの時期には、なかなか進捗率が上がらないこともありましたが…。
永井さん:毎日続けている方は、時間を固定して取り組んでいたようです。学習時間をカレンダーに入れるなどして、ルーティンにしている方の進捗率は総じて高かったですね。
――間山さんは受講者として、使ってみて良かったことはありますか?
間山さん:マーケティングの知識を体系的に学べたことですね。実は最初、アプリの「タップしてチャットが進んでいく形式」は、大変なので、すごく嫌だったんです(笑)
でも、この形式でなければ、右から左へ情報が流れてしまって定着しないんですよね。続けていくうちに、手を動かす煩わしさがあるから身につくのか、と気が付きました。
マーケティングの共通言語化で、職種を越えたフラットな対話が
――導入後の成果として、具体的な事例がありましたら教えて下さい。
間山さん:社内のコミュニケーションにおいても共通言語になっていくので、スムーズにマーケティングの思想を自分の仕事に取り入れて話せるようになったと思います。
例えば事業のミーティングにおいても、営業がマーケティングの知識を持つと、マーケターと具体的な施策の話ができるようになります。実際、「マーケティングチームからのサイト流入状況の報告に対して、改善内容を提案出来た」と報告してくれた社員もいました。
他にも、CRM施策を話し合う中で、営業がグロースXで学んだ顧客理解や具体的な方法論などを使い、メールマーケティングに関して意見を出すこともありましたね。
永井さん:事業部で経営企画を担当している者は、グロースXで学んだF2転換(※新規顧客がどのくらいリピート購入に繋がっているかを示す指標)の内容を、休眠顧客へのアプローチ施策に活かしたと言っていました。
私個人としても、ずっと人事畑にいてマーケティングの知識がなかったので、まず用語をきちんと理解できるようになったことが嬉しいです。
間山さん:こうした言語化・共通化が職種を越えて広がることで、マーケティングの考え方を組織的に広げていくことができると考えています。グロースXはコンテンツがわかりやすいので、内容を受講していない社員に共有するときにも参考にしています。
――最後に、今後の「グロースX」の活用、もしくはご期待についてお聞かせください。
永井さん:グロースXを通じてマーケティングの知識を理解し、共通言語にできたことで、部署間・部署内の会話がこれまでよりも円滑になったという声が挙がっています。引き続き、マーケティング領域に課題を感じている社員の学習機会のひとつとして、提供していきたいです。
間山さん:例えば、新卒内定者向けの短期的な基礎講座があれば、グロースXをさらに活用していけるのではないかと思います。データアナリティクスという観点で、受講状況から内定者のモチベーションを把握できたりと、人事と連携したフォローアップにも活用できそうなので、展開を期待しています。
――間山さん、永井さん、ありがとうございました!
(インタビューご協力:レバレジーズ株式会社 様)