AI進化の速さに振り回されない!AI研修で学ぶべきこと、避けるべきこととは - グロースX | マーケティング研修・営業・AI / DX人材育成サービス

はじめに

AI研修を企画する際、よく聞かれる悩みがあります。「どんな内容を教えれば良いのか」「AIは日進月歩なので、すぐ古くなるのではないか?」というものです。

実際、世の中には「AIの最新情報を紹介する」だけの外部講師や、「こんなにすごい活用事例があります」といった話ばかりをする講演が溢れているという実情があります。しかし、これらの“AIの驚き”を並べ立てるだけのコンテンツに振り回されてしまうと、本来の研修の目的──業務の効率化や成果の創出──から外れてしまいかねません。

本記事では、「AI研修で学ぶべきこと」と「学ばなくてよい、すぐ陳腐化する内容」の見極め方について整理してお伝えします。

AI活用の本来の目的とは?

まず忘れてはならないのは、AIを活用する目的は「AIがすごいから使う」ことではありません。

目的はあくまで、事業貢献です。すなわち、売上向上・業務改善・組織力強化などの“成果”につながる活用であり、そのための手段としてAIを使うのです。

したがって、AI研修も「最新情報をキャッチアップする」ことが目的になってはいけません。必要なのは、成果を生み出す活用力を育てることです。

AI研修で学ぶべきこと(=人的資本として積み上がるもの)

企業にとって価値があるのは、受講者が学んだ内容が社内に定着し、横展開され、再現されることです。以下のような知識やスキルは「人的資本」として残ります。

  • AIの構造・原理:どのように動くかを知ることで、活用のアイデアが出せる
  • 社会・組織構造の変化:AIによって変わる業務と役割の本質を理解
  • 活用マインドと企画力:「どこにAIを使うべきか」「どう組み込めば成果が出るか」を考える力
  • 組織浸透の方法:フレームやナレッジを共有し、チームで実装するための運用ノウハウ

これらは表面的なHowではなく、変化に強い知識として、長期的に活用できます。

AI研修で避けるべき内容(=すぐに陳腐化・逆効果になりかねない)

逆に、避けるべき内容や優先度の低い内容もあります。

以下のようなテーマは一見魅力的ですが、研修としての効果は薄く、むしろ現場に混乱や誤解を招くことがあります。

  • 最新技術・API紹介:情報としては有益だが、実務に結びつかず記憶に残らない
  • 特定ツールの使い方:「その場だけの操作体験」で終わってしまい、再現されないことも
  • インパクト重視の活用事例:動画生成・3Dモデリング・音声合成など、特定の業務にしか関係がない話

特に“面白いけど自分には関係ない”という印象を与える研修は危険です。「AIって結局うちには関係ないんだよね」と受け取られ、AI活用に対する距離感を広げてしまいます。

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失敗事例に見る“伝え方”のリスク

例えば、営業組織に対して「AIで売上予測ができます」という話をしてしまうと、「じゃあ今月の数字、AIに聞けばいいんですね?」という誤解が生まれます。

実際には、売上予測を正しく行うためには、十分なデータ整備、季節性・プロモーション情報・施策影響などを踏まえた前提が必要です。いくら優れたAIであっても、こういった情報が不足したまま予測をすると、非常に低い精度の予測しかできません。
そこを端折って”AIはすごい”といった印象を伝えすぎると、実際の活用段階で無駄な分析結果を量産することになり「AIはまだ使えない」という逆評価を受けることになります。

“わかりやすい例”のつもりが、AIに対する失望と誤解を生んでしまう。こうした事例もよく見かけます。

グロースXの研修設計:変化に強い構造

このような状況を受け、グロースXでは、AI研修を「変わらない本質」と「変わり続ける最新知識・事例」の2層に分けて提供しています。

  • 第1層(前半3ヶ月):普遍的な知識・フレームワークをアプリ形式で学習
  • 第2層(4ヶ月目以降):変化しやすい事例・最新Howは動画で随時アップデート

これにより、受講者はまず「基礎となる思考の型」を持ち、現場でAIを活用しやすくなった上で、継続的に新しいナレッジを吸収していけるようになります。

おわりに

AIの研修は、技術進化に驚く場ではありません。
「成果につながる思考と活用の型を持つ人材を育てる」ことこそが、今もっとも重要なテーマです。

もし貴社でも、一過性ではなく、持続的に活用されるAI研修を目指しているようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
グロースXが、戦略から運用、スキル定着まで一貫して支援いたします。

※この記事をご覧になってお問い合わせいただいた方には、執筆者の三浦が商談対応をさせていただきます。組織の現状やAI活用に関する具体的なご相談・ご要望など、最新のAI活用事例をもとにお話しいたします。