グロースXは、マーケティングやAI・DX、営業などを学べる人材育成サービスを提供しています。その仕事の中には、ビジネスに役立つ知識をアプリなど体験に詰め込むコンテンツ編集制作があります。今回は、出版や教育業界での経験があり、“コンテンツ”に長く携わってきた編集チームの3人が集まり、コンテンツビジネスの「今」と「未来」について話をしてもらいました。

 

プロフィール

 

多田庸一

多田庸一
新卒でユーキャンに入社。30年にわたり、主にダイレクトマーケティングと講座開発に従事。ウェブマーケティング部、計画推進部、開発部の部長を歴任後、株式会社divでマーケティングを担当。
2019年1月からグロースXのコンテンツ制作を手伝い始め、2021年4月に入社。コンテンツの新規制作と品質向上に従事し、CRMも一部担当。

 

陰山祐一

陰山祐一
大学卒業後、広告界の専門誌を発行する出版社に入社。Webメディアの責任者などを経て、2018年ナノベーション入社。マーケティング領域の専門Webメディア「Agenda note」編集長、各種マーケティングカンファレンスのコンテンツ企画、トップマーケターによる塾事業などを担当。
2021年にグロースXに入社。

 

齋藤千明
広告・マーケティング、クリエイティブ領域の専門出版社に新卒入社​し、広告営業職を​経て編集部へ配属。​​その後、ブランディングデザイン会社で戦略プランナーとして多様な企業のコーポレートブランディング、事業ブランディング、サービスブランディングを手がける。
2022年にグロースXに入社。

 

メディアや従来のコンテンツビジネスに感じる課題とは

―― メディアやコンテンツビジネスという領域を俯瞰したときに、その領域が抱えている課題は何だと捉えていますか。

多田:
メディアの世界は、よく「フィルターバブル」や「エコーチェンバー現象」と言われるように、一人ひとりの興味関心によってスマホに出てくる情報が全く異なるという世界になっています。読む記事、接する広告までもが全部自分の興味関心に寄ってきてしまうので、思いもよらないものと出会う機会がすごく減ってきている気がします。学習にしても、学ぼうと思っていない人が学習と出会うこと自体が減っているのではないかと思いますね。

ビジネスとしてそこにどう切り込んでいくかといえば、その一つの経路としてBtoBがあるかなと。グロースXもそうですが、BtoBの学習コンテンツであれば、その会社に1人でも学習したい、みんなのスキルを上げたい、それによって組織を良くしたい、実績を上げたいと思って導入してくれる人がいたら、その人から社内の10人に浸透していく可能性が出てくるんですよね。

―― たしかに。BtoBであれば、自分の閉じた世界の外から教育がやってくるという体験をつくれるわけですね。陰山さんはコンテンツビジネスをどのように見ていますか?

陰山:
ビジネス向けメディアのビジネスモデルを紐解くと、この20年ぐらい次のような構造だと思います。

interview_contents-team

 

最もユーザーの規模が大きい世界として、無料で毎月何万人以上が閲覧する広告モデルのオンラインメディアがあり、その次の規模として、無料で受けられるスポンサーモデルのオンライン・セミナーがあります。

その次に有料のオンラインメディアや雑誌・書籍などの有料コンテンツがあり、次に有料セミナー(サロンや動画)、さらにその先に教育研修や人材派遣があるという構造になっています。

メディアビジネスは通常、有料コンテンツや無料メディアでブランドをつくりながら読者を集めて、単価の高い有料セミナーやコミュニティ、イベントでも売上をあげたりして、ビジネスを営んでいます。

グロースXをこのモデルに当てはめると、おそらく有料セミナーや教育研修に近しいポジションに位置づけられるのかなと思いますが、私はこの従来のメディアビジネスとは違うところで勝負できているのではないかと感じています。特にグロースXはアプリコンテンツからカスタマーサクセスを通してお客さまのアクションにつなげることに挑戦しているので、そこに新しい可能性があるんです。

―― メディアビジネスの世界は20年変わらなかったけれども、コンテンツを閲覧するだけでなく実践にまでつなげるという新しい可能性が見えてきているのですね。齋藤さんは、いかがでしょうか。

齋藤:
今やメディア企業だけでなく、あらゆる企業、そして個人までもが簡単にコンテンツをつくり、発信できる時代になりました。玉石混交、様々な情報が入り乱れていて、情報の受け手が「自分はどの情報を参照すればいいか」が分かりにくくなっています。その中で、私たちのようにメディアを持ってコンテンツビジネスを行っている企業が担うべき役割は何かと考えると、やはりコンテンツをきっかけに、お客さま(読者)のその後の体験や成功をつくるということなのではないかと思います。

陰山さんの話とも重なりますが、私たちは、コンテンツから何らかの体験につなげ、お客さまの成功に貢献する「成功させ屋」にならなければならない。どのメディアやプラットフォームが一番、お客さまを幸せにできるか、成功させられるかという競争に、勝っていかなければならないと思っています。

陰山:
本当にそう思いますね。でも結局、従来のメディアは体験のしてもらい方がセミナーやサロン、動画などのワンパターンになってしまい、従来の枠を超えられていないなと感じます。

齋藤:
そうですね。私たちの場合なら、アプリを触ってもらう以外の関わり方をどれほどしてもらえるかということを、いろいろ考えていかないと。

 

画面や誌面を飛び出し、ユーザーを成功させる立体的な体験をつくる

―― そういった状況を踏まえて、今後のコンテンツクリエイターには何が求められると思いますか。

齋藤:
お客さま(読者)に幸せになってもらうには、誌面上や画面上のコンテンツだけでは限界があります。だから、もっといろいろな要素を組み合わせて立体的な体験にする必要がある。誌面上や画面上のコンテンツ以上のものを考えるというのは、これからのコンテンツクリエイターには大前提として求められるのではないかと思います。

そのためには、どのような見せ方や届け方の選択肢があるのかを学び続ける必要があるし、どのような見せ方や届け方ならお客さまに喜んでもらえるのか、お客さまの成功に貢献できるのかを絶えず考え続ける姿勢も求められます。

また、グロースXのコンテンツは一度リリースしたら終わりではなく、お客さまにもっと良い体験をしてもらうために、その後もずっと磨き続けていきます。「もっとできることはないか?」と追求し続ける胆力も、これからは必要かもしれないですね。

多田:
グロースXはスマホ上のアプリでの学習なので、つまらなければフリック一つでYouTubeやTikTokなどの他のアプリに切り替えられてしまいます。そうならないためのコンテンツづくりをしなければならないですよね。もう少しエンターテイメント要素を取り入れて、面白いから思わずやりたくなるという世界をつくるとか。まさに齋藤さんが言うように、良いコンテンツをつくるということ以外の要素が必要とされますね。

齋藤:
月並みな表現にはなりますが、もはやつくるのはコンテンツというより、UXですよね。

陰山:
そうですね。新しい体験をつくる挑戦になりますが、テキストや画像、ウェブ、動画なども含めて、良いコンテンツをつくることに取り組んできた人であれば、土台はできているので、その先の体験まで考えられる可能性はあると思います。

それと、コンテンツを磨き続けるという点で、ユーザーからのフィードバックを反映することも大事ですよね。グロースXにはアンケートの仕組みがあるので、定量的な情報はもちろん、そのフリーアンサーから定性的な情報も得られます。アンケートのつくり方次第で、ユーザーの動きや気持ちが分かるのも面白いなと思いますね。

contents-mtg_1-800x369

ユーザーさんからのフィードバックをもとに、コンテンツを改善するMTGを毎週開催


アイデアの幅を広げ、実行する。挑戦が推奨される環境がある

―― グロースXでコンテンツクリエイターとして働くと、どのようなスキルが身について、今後どのようなキャリアが拓けると思いますか。

齋藤:
誌面や画面に留まらない体験のアイデアを思いついても、予算や前例がないなどの理由で実行できない会社もまだあるのではと思います。しかし、グロースXのコンテンツ制作は、それがお客さまにとって良い体験、お客さまに成功を届けられる体験につながるのであれば、新しい試みを推奨されますし、応援されます。

そういった環境の中で、お客さまからのフィードバックを踏まえて、お客さまが何を求めているのか、どう成功したいのかということを考えながらコンテンツをつくる・改善する癖がつきますね。

また繰り返しになりますが、お客さまの成功に貢献するために、コンテンツにはどのような見せ方・届け方の選択肢があるのかを知ることが重要です。グロースXには、業務委託メンバーも含めていろいろなバックグラウンドや得意領域を持った人がいるので、そういった人たちと関わる中でヒントをもらえたり、さまざまな選択肢にアクセスできるのもいいと思っています。

あらゆる見せ方・届け方を、全部一人で把握する必要も、実現する必要もない。誰に尋ねればアイデアが得られそうか?誰に頼めば実現できそうか? それがわかるだけでも、打ち手の幅はぐっと広がります。

―― 社員だけでなく、協力してくれているパートナーさんたちとも近い距離で仕事ができるので、自分の可動域も広がる感覚がありますよね。

陰山:
そうですね。パートナーさんとの関係がすごくフラットですよね。そういった人たちと一緒にビジネスを動かしていくという、新しいパートナーシップの築き方も身に付くのではないかなと思います。

―― 教育業界の長い多田さんは、身につくスキルについてはどうお考えですか?

多田:
やはりお客さまにコンテンツについて詳しくフィードバックをもらえることが、スキルを身につける上でも大きいなと思います。
たとえば、単純にSEOを意識したコンテンツは、どうしてもキーワードが先行して、中身があまりないと感じることもありますよね。でも、私たちは本当に必要とされるコンテンツをつくっていて、分かりにくいと言われれば改善できるので、本当に伝えるというスキルはすごくつきやすい環境だと思います。

加えて、お客さまがこれをどう体験するかを考えることで、立体的にコンテンツを捉えられるようになります。正しい体験を、良い形で届けるということについての理解が進むし、考える機会が格段に増えると思いますね。

 

【参考記事】
「わかりやすいコンテンツが生まれるグロースXの秘密とは?」
(アプリのフィードバック機能に関するコラム)

column_contents_re-600x323

 

陰山:
グロースXのビジネスは、メディアや教育といった領域のDXで、次世代のコンテンツビジネスを探ることができる場です。だからこそ、今後のコンテンツクリエイターにとって必要なスキルを身につけられるので、新しい体験づくりに挑戦したい方と一緒に働きたいと思っています。

 

以上、コンテンツ編集チームの3人によるコンテンツビジネスについての座談会をお届けしました。
“新しい体験作り”という、これまでの枠を超えたグロースXのコンテンツクリエイターに興味のある方は、ぜひご連絡ください。
“挑戦”が推奨される環境で、ともに働くチームメンバーを募集しています。