全体感を持てる組織づくりを目指して
―― 組織づくりにおいて、最も重視しているのはどういったことでしょうか?
成田 データドリブンですね。とはいえ、目の前のお客様にフォーカスしてきた人材が多いため、まずは全体感を持てるようにしたいです。
弊社はWEBサービスに携わってきたメンバーが多くはいません。そうした人材を積極採用してきたわけでもないため、立ち上げ当初からここは課題でした。
心がけているのは、新規メンバーがジョインした際には積極的にオリエンを行なうこと、日々のコミュニケーションでも丁寧に接すること。様々な教育機会を用意するほか、日常で使うワードも百貨店事業でも用いる用語に落とし込むなど、様々な工夫を行なっています。
―― どういった理想像を持って組織運営を行なっておられますか?
成田 新しいことを学ぶ必要性が強いため、好奇心が自然とわいてくる環境を用意できればと考えています。個々人の裁量を大きくしてチャレンジできる環境を作ったり、そこで得た学びを活かす場を作ってあげたり。
とはいえ、やってみたいチャレンジをヒアリングすると、メインKPIとは異なる業務設計の必要があったりします。業務に落とし込みたいのですが、残念ながらサービスがまだ若いため、アウトプットの機会を十分に与えられていない。そこは課題だと感じています。
―― 理想とのギャップを埋めるため、どのような取り組みを考えておられますか?
成田 ある程度、矛盾する指標を持つことですね。例えば、商品を手配するメンバーのKPIは売上や利益ですが、そこにお客様のLTVに寄与する指標をあえて持ってみたり。
獲得効率を上げる話とLTVを高める話は、一見矛盾して見えます。ただ、経営を行なううえで矛盾はつきもの。現実にどう向き合うか、というマインドを持ってもらうことが必要だと考えています。
経験上、細かく具体的な仕事になるほど視野が狭まります。「いいよ、なんでもやっていこう」というある種不安を与えるような環境、裁量を持てる仕事の任せ方ができると理想ですね。
そうした仕組みを段階的に設計していけると良いな、と思っています。こうしたマインドセットについては、御社のプログラム含めた部内教育と、裁量ある実践の両軸で徐々に解いていきたいです。