部門を越えて、人事職まで導入が拡大 
「学びの実践」の共有がデジタル領域の共通言語を形成(東北新社様)

2021-11-09

1961年の創立以降、映像に関するあらゆる事業を行う「総合映像プロダクション」として、映画やアニメの日本語字幕・吹替やテレビ番組・CMの制作、衛星放送等の事業を展開する株式会社東北新社

同社では、従来の放送事業に加え、近年新規事業としてOTTサービス(※)の提供をスタートしました。
※OTTオーバー・ザ・トップ。放送などの通信インフラではなくインターネット回線を通して行われるコンテンツ配信サービスの総称

それに伴い、現場のメンバーがデジタル領域のスキルを身につける必要が出てきたことから、2020年11月にグロース Xのマーケティング学習アプリ「グロースX」を導入。まずはデジタルサービスの運営に関わる人を中心に、20名で受講を開始しました。

導入後は、各自で学習を進めるだけではなく、受講者全員で集まり「グロースXを実務にどう活かしているか」を共有し合う場を定期的に開催。新サービスのカスタマージャーニーマップの作成や、Web広告の運用といったシーンでの具体的な成功事例が共有され、部門を超えた共通言語の形成につながったといいます。

こうした成果を踏まえて、2021年8月からは第二陣として40名の方が追加受講。デジタルサービスに関わる部門だけではなく、人事部からも多数の受講者が参加するなど、組織の壁を越えたデジタルスキルの向上に挑戦しているとのことです。

今回は運用担当としてグロースXの導入・運用をリードいただいたエンタメ開発事業部の寳諸(ほうしょ)祐一様に、東北新社における取り組みの全体像を詳しくお伺いしました。

デジタル領域での新しいチャレンジに向けて、スキル習得が急務に

―― 寳諸さん、本日はよろしくお願いいたします。まずは自己紹介をお願いできますでしょうか。

私は新卒で東北新社に入社し、放送・配信を主に行う部門に配属され、チャンネルのPRなどを経て、10年以上全国のケーブルテレビ局様に弊社のCSチャンネルを販売する営業をしていました。

その後2020年5月に、新規の事業として趣味やエンターテインメントでつながるファンコミュニティのビジネスを推進する部門が新設され、私も含めて社内のいろいろな部門のメンバーが異動する形になりました。

弊社が従来から事業を展開してきた放送領域が、業界として収益が下がってきていることもあり、声優、オカルト、囲碁や将棋といったジャンルで趣味に特化したデジタルコンテンツ作りつつ、そのコミュニティを広げて周辺事業を大きくしていくことを目的としています。

これまで放送という領域で得てきた知見を活かしながら、デジタル領域で新規事業を作っていく…というミッションがありました。

―― デジタル領域という意味では、貴社にとっては新しいチャレンジということだったのですね。

そうですね。インターネットで配信するサービスを運営していく場合、放送でいう視聴率だけではなく視聴者の属性までがわかりますし、Web広告も運用していきます。そうなると、デジタルマーケティングを学ぶ必要がありますが、メンバーは色々な部門から異動してきたので、私も含めてスキルがない状態でした。

そこで、チームとしての共通言語が必要だなというときに、グロースXを紹介していただいて、導入したというのが経緯です。

アプリには講義形式の研修とは異なる良さが。3周目、4周目と学ぶ猛者も

―― 第一陣は20名の方に受講いただきましたが、皆さんこの新規事業に関わられている方でしょうか?

はい。デジタルサービスの運営メンバーの中から、デジタルマーケティングの知識を持っていた方が良い人間を選定しました。具体的には各コンテンツの運営メンバーと、それに関わるプロモーションメンバー、加えて広告営業メンバーにも参加してもらいました。

―― グロースX導入以前にも、デジタルマーケティングに関する研修は実施されていたのですか?

新型コロナウイルスの影響もあり、オンライン形式ではありましたが講義形式の研修は行っていました。

ただ、講義だと少し一方的になってしまうので、ちょっと違うものがないかな、と考えていたんです。実際に導入してみると、スマホアプリで使いやすく、自分たちで進めていけることがまず良かったですね。

―― 導入後、寳諸さんにはとてもリーダーシップをもって学習の推進にご尽力いただきました。

こうした学習は、やはり継続していくことが一番大事だと思っていて。でもどうしても業務的に忙しくつい忘れてしまう人もいるので、「グロースXあるよ」ということはこまめに言うようにしていましたね。

例えば、毎週メールでいただく各受講者の進捗状況を加工して、進捗が遅れているメンバーにアテンションをかけていったり、週に1回、皆で集まって学習を進める時間を設けたりしていました。

―― 結果的に、進捗状況も素晴らしかったですね。

全体でとても高い進捗率をキープ

業務が忙しくまだコースを完了できていない人もいるので、個人的に言うと進捗率は「良いのかなあ」という感覚はありますが…(笑)。

ですが一方では、3周目、4周目と何度も繰り返して学んでいるような人もいるんですよ。彼は通勤時間に必ずグロースXをやると決めているそうで、やはりそうした習慣づけは大事なんだと思います。

ユーザー別の詳細データ

受講者全員で集まり「学びを実務にどう活かしているか」を共有

―― 受講中は、グロースXの学びを実務にどう活かしているかを共有する振り返りのMTGを、受講者の皆さまで行っていたんですよね。

そうですね。第一陣は20人ほどで集まりやすかったこともあって、全員で行うようにしていました。ワークショップのような形で、それぞれが学びを実務に活かせたシーンを共有しあう形式でしたね。

こうした場があったことが、とても良かったと思っていて。受講者同士の関係性を築きながら、共通言語化を進めることにつながりました。講師の方が一方的に教えるような、これまでの研修にはない価値があったのかなと。

―― 実務への活かし方というと、具体的にはどんなお話がありましたか?

例えば、「新サービスのペルソナやカスタマージャーニーマップを作るところで学びを活かせた」「とあるプロモーションで、グロースXを参考に検索広告とディスプレイ広告を運用して、CPAはこのくらいだった」といった、かなり実践的な話が出ていました。

受講者もそれぞれ違うコンテンツ制作やサービスを運営しているので、互いに情報共有をすることが学びになるんですね。普段はどうしてもコンテンツ軸で縦割りになってしまいがちなので、「グロースXで学んでいる人たちの集い」という形で、横串でつながっていたのがすごく良かったなと。

―― 素晴らしいですね。実務へ活かすという点でいうと、寳諸さんご自身ではいかがですか?

例えば、自分自身が「デザイン」と「機能的な改善」をごっちゃにしていたな、ということに気付かされました。グロースXで「色合いやフォントなどの装飾は、デザインのプロであるデザイナーに任せた方が円滑に進みやすい」といったことが解説されていて、「ああ、いままではちょっとダメだったな」と。

その後、実際にランディングページを作るタイミングがあったので、そのときにはデザインはデザイナーに任せて、私自身は機能や内容の部分だけを見るようにしましたね。

加えて、私は組織を統括して見ている立場なので、そもそもデジタルマーケティングをわかっていなければメンバーと話ができません。「これ、どうですか」と聞かれたときに、「じゃあ、CPAいくらなの」「コンバージョンはどれぐらいなの」という話ができないとダメなので、そういった観点ではとても勉強になりました。

第二陣の受講者数は第一陣の2倍に。人事や営業、CM制作からも参加

―― 第一陣の方に続いて、第二陣では40名の方に受講いただいていますが、人事部の方もいらっしゃるんですよね。

実はもともとは第二陣でも、第一陣と同部門のメンバーをメインで考えていたんです。ここはデジタルのサービスを開発し、ファンコミュニティを拡大していくことがミッションなので、デジタルマーケティングのスキルは必須ですから。

ただ、受講者を選定していく中で、まずは営業部門に「受けたい人がいれば」ということで参加者を募ったところ、思った以上に人数が増えて。さらに私が個人的に人事部にもグロースXのことを紹介したところ、「やりたい」という人間が一気に増えたんですよ。

人事領域でも、例えば採用って顧客獲得と同じ構造じゃないですか。加えてDX化の波が来ていることもあり、これからの人事には絶対にデジタルマーケティングのスキルが必要…という話をしていたんですよね。

他にも、リアルを含めたイベントを担当している部門や、CM部門からも受講者が増えて、気が付けば第一陣の2倍規模になっていました。

―― とてもありがたいです。第二陣の皆様はいま学習を進めていらっしゃいますが、手応えとしてはいかがでしょうか。

これまではっきりとわかっていなかったデジタル領域の知見が言語化されて、とても勉強になっているという声を聞いています。ただまだまだ序盤なので、これからですね。

人数が多いので、これまでのように全員が集まることが難しく、横のつながりが現状は作れていなくて。職種もバラバラなので、互いに情報を共有してもあまり参考にならないかもしれませんし、ここは試行錯誤していくことになると思います。

ただ、これまでは中間管理職研修のようなものを別にすると、こうして部門を横断して同時に実施するような研修はなかったんですよ。ですので、この取り組み自体が会社としてもひとつの挑戦ですし、うまくいけば、将来的には新人研修として取り入れる…といったことも考えられると思います。

デジタルをひとつの手段として、人々にハッピーな体験を届けていく

―― 導入時から第二陣の皆さまへの拡大に至るまで、寳諸さんの周囲を巻き込んで進めていただく熱意をとても感じています。

もともと営業系だったということもありますが、人を巻き込んで物事を進めるのは自分自身、一番得意なことかもしれません。

ただ周囲に伝えているのは、デジタルマーケティングのスキルは今後、絶対に社会に必要な能力で、この先5年、10年と活かせるものだということです。この話は、部署や世代を問わず刺さっているなと感じます。

―― 部署を越えたデジタルマーケティングの共通言語化が進むよう、弊社も引き続き精一杯サポートさせていただきます。最後に、寳諸さんのネクストチャレンジをお伺いできますでしょうか。

エンタメ開発事業部として目指しているのは、エンタメ領域の新しいサービスを通じて、人々にハッピーを届け、日常を豊かにしていくような体験を作っていくことです。

デジタルはそのミッションを実現するための手段なので、今後もそのためにグロースXを通じて身につけたスキルを活かしていければと思っています。

また別の軸では、社内ミッションとしてエンタメ領域のビジネス開発プロデューサー集団を育成する、ということを掲げています。新しい収益の柱としてコミュニティビジネスを開発しつつ、そのための人材を育成していくことを目指す…ということです。

そしていずれはそういった人たちが、会社の未来を作っていく人材に育っていくといいなと思っています。事業づくりを通じて、みんなが成長していけるようなサイクルを作っていきたいですね。

(インタビューご協力:株式会社東北新社 様)

       

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