「どうやって発信活動を積み上げたらいい?」がはじまり
―― つばめ投資顧問さんは、栫井さんのご経歴も含め、少数精鋭の頭脳集団というイメージです。なぜ全員でマーケティングを学ぼうと思ったのですか。
栫井さん:
証券会社での投資銀行業務を経て、2016年につばめ投資顧問を立ち上げました。短期で利益を得るために時間や気持ちを奪われるのではなく、長期投資を通じて幸せをつくれたらと思ったからです。2019年までは一人会社を運営しており、その頃は自身の知識を発信することに重きを置いて、YouTubeを活用していました。YouTubeチャンネルは、開設当初から視聴者数・チャンネル登録者数も順調に伸びていて、手応えもありました。
ただYouTubeの次の手を考えた時に、次々と新しいテクニックやメディアが出てくるけれど、どうもつながらないというか、結びつかない感覚がありました。新しいものに飛びついて辞めてを繰り返していては、積み上げが効かないなと思ったのです。「どうしたらいいんだろう?」という問題意識が全ての始まりでした。
発信する情報にもそれなりの自信がありましたし、受け入れてくれる人がいたからこそ、チャンネル登録数が伸びていたと思います。しかし、本当に発信したいことと違ってきているような気もしていました。多くの人に見てもらうために、目立ちバズるような内容に寄りがちになってしまい、観ている人たちが本当に欲していることを提供できていない、という漠然とした違和感がありました。
「違和感があるからマーケティングをやろう」と直接的に結びついて考えたわけではありません。ただ、ピーター・ドラッカーが著書『マネジメント』で企業の第一の機能と第二の機能としてマーケティングとイノベーションを挙げているように、マーケティングが企業活動の重要要素だとしたら、マーケティングは学ぶ必要があると考えました。
それから、「カスタマーサティスファクション」についても思案していました。一方的に情報発信をするスタイルから、双方向のコミュニケーションにするにはどうしたらいいかとも考えていたのですが、これもマーケティングの一環だと思うようになりました。つまり、例えば営業やマーケティングといったように職種で必要かどうかが決まるのではなく、企業活動に関わる全ての人にとってマーケティングは必要だという考えに行き着いたわけです。
加藤さん:
私は2019年頃からつばめ投資顧問に関わっています。当時思っていたのは、世間には、良質なコンテンツもそうではないものも、とにかく情報が溢れすぎているということ。「これをやれば儲かる」みたいなコンテンツを多く見かける中で、栫井さんは真摯に投資に向き合っていると感じました。純粋な投資好きと言いますか、丁寧に情報発信をされていたので、一人でも多くの人に届けたいと思って、ジョインしたんです。情報の伝え方・広め方は様々あると思うのですが、なぜYouTubeだったかというと、当時の流行であり効率的なツールだったからというだけのことです。
ただ、従業員が少しずつ増えていく中で、例えば顧客理解ひとつをとっても捉え方が違ってきていたので、解像度を同じくすることで足並みを揃えられれば、会社として次のフェーズにいけるんじゃないかと思っていました。
―― そこでなぜ「グロースX」でとなったのでしょう?
栫井さん:
私自身、学ぶことが嫌いではないですし、やるからにはしっかり勉強しようと思いました。「マーケティング 勉強」とネット検索をしてみたら、一番上にグロースXの広告が出てきたんです。普段広告をクリックすることはありませんが、ランディングページに書かれたメッセージが、自分が求めているものそのものだったのです(笑)。他社比較もちゃんとした上で、やはりいいぞと思って、連絡をしたというのが一連の経緯です。
加藤さん:
マーケティングを学ぶために書籍を読むという選択肢もあるとは思いますが、断片的なことが書かれたものが多いと感じていました。投資も同じで「この投資方法だったらこう!」といった断片的な情報は多いのですが、「体系立てて学べる」というものが案外ないのです。自分も含めてメンバーは皆学習意欲が高いので、マーケティングを学ぶと考えた時に、全体像を把握した上で、一つずつ掘り下げていく方が、納得度が高いだろうとも思いました。