SNS活用や広告運用に新しい風も。食品大手メーカーが挑む「実践に繋がる」デジタルマーケティング学習(日清製粉ウェルナ様)

2022-01-19

「日清」「マ・マー」「青の洞窟」といった主要ブランドを抱え、小麦粉、プレミックス粉、パスタ、パスタソース、冷凍食品などの製造・販売を行う株式会社日清製粉ウェルナ。同社が属する日清製粉グループは1900年に創業し、グループとしては120年以上にわたり事業を展開しています。

日清製粉ウェルナでは2018年にデジタルマーケティング室を新設し、マスとデジタルの垣根を越えてマーケティング施策を推進してきました。しかし一方では、現場で実務を担うメンバーのデジタルマーケティングに関する知識やスキルの差に課題感を持っていたといいます。

そこで、従来型の集合研修では得づらい、より現場での実践まで落とし込める学びを得るべく、導入に踏み切ったのがGrowth Xのマーケティング学習アプリ「グロースX」でした。

同社として、各自がスマートフォンを使って学習を進めるアプリケーションの導入は初めての試み。まずはスモールスタートで、営業部署、商品開発においてマーケティングを担う部署、そしてデジタルマーケティング室のメンバーから選抜された32名の方々に受講いただきました。

受講期間中は「ほぼ100%」の進捗ペースで、各自が自律的に学習を推進。また、受講者が集まって行われた成功事例の共有会では、「グロースXを通じて学んだSNS施策をクライアントに提案し、売上げアップにつながった」「広告配信プランなどの広告代理店からの提案について、精査しやすくなった」といった、現場での具体的な成果が発表されました。

今回は同社CRM推進部デジタルマーケティング室の湯浅 有輝様と山本 拓様に、グロースXの導入から運用、そして現場での実践に至るまでのお取り組みについて、詳しくお伺いしました。

各事業部組織に横串をさす「CRM推進部デジタルマーケティング室」

湯浅さん:私は日清製粉ウェルナの中で、CRM推進部の部次長と、その中にあるデジタルマーケティング室の室長を兼務しています。

CRM推進部は、事業部で構成された当社組織を横断しながらデジタル・アナログ両面のマーケティング施策を推進する組織です。

一方でデジタルマーケティング室は、社長直轄の組織として2018年に設立されたのち、2020年にCRM推進部の中に入れたという形になっています。

今の時代、CRMの領域においても「デジタルとマス」の垣根がなくなってきていることもあり、CRM全体でデジタル周りを見ていこうという動きです。現在は、デジタルを効果的に活用しながら、特に「簡便・本格・健康」といったニーズに着目した、高付加価値商品のマーケティングに力を入れています。

CRM推進部デジタルマーケティング室 湯浅有輝様

山本さん:私は新卒で広告代理店に入り、その後、Web系のベンチャー企業を経て2021年5月に日清製粉ウェルナに入社しました。

当初からデジタルマーケティング室に所属しており、トライアルECサイトの運営やデジタルを軸としたキャンペーンなどを担当しています。またグロースXについては、前任者から引き継ぐ形で運用担当をさせていただいています。

デジタルマーケティングのスキル習得が「個人」任せになっていた

湯浅さん:現在、私たちを取り巻く労働環境は少子高齢化や労働生産性の問題を背景に、 IT化の進展やIoT・AIの活用、DXの推進が叫ばれています。そしてその中で、「人」にしかできないことの重要性はますます高まっていくと考えています。

こうした環境を正しく認識してビジネスで勝っていくために、日清製粉ウェルナは 「人が育ち、人を育てる会社」 にならなければいけない、と考えています。そのため、これまで以上に 「自主・自律型人材」の育成・成長支援を重要視しており、研修や施策など様々な取り組みを実施しています。

コロナ渦においてはどうしてもオンライン施策が中心になりますが、会社全体の風土づくりや、働きやすい環境づくりにも、トップ以下、経営陣も含めて非常に力を入れています。

デジタルマーケティングという文脈では、コロナ渦の影響もありそのニーズが高まる一方、営業や商品開発、マーケティングを担う部署における、個々の知識やスキルの差に課題を感じていました。

スキルの習得は個人に頼っていたため、何をどう身につけて対応したらいいかわからないケースも多く、体系化がされていない状況でした。そのため、いわゆる集合研修を行うなど、会社として学習機会を設けてきました。

その中で、「スマートフォンアプリで場所も時間も関係なく、各自のペースで学習できる」グロースXは今の時代に合っていると考え、新しい挑戦のひとつとして導入することになりました。

2021年春に参加希望者を募り、その中でも熱意あるコメントを提出してくれたメンバーを選定する形で、まずはスモールスタートで32名を対象に受講をスタートしました。

ノートにメモを取りながら学習する人も。選抜メンバー故の高い学習意欲

山本さん:受講者は家庭用の営業部署、業務用の営業部署、商品開発においてマーケティングを担う部署、そして我々のデジタルマーケティング室のメンバーです。デジタルマーケティングの知識についても、ばらつきがあるメンバーとなります。

私は途中からグロースXの運用を引き継いだのですが、選抜メンバーということもあり、熱意の高い受講者が多いと感じていました。中でも熱心な人間は、ノートにメモを取りながら学習を行ったり、学んだことのエッセンスを部内で展開したりしていましたね。

私の方では、受講者1人ひとりの進捗状況を把握しながら、月末のテスト期間のアナウンスを出したり、進捗が遅れている者に対してはアラートを出し、受講促進などの運用管理をしていました。

▼学習開始より、ほぼ100%で進捗

(画像はダッシュボードの一部を抜粋)

湯浅さん:有志メンバーが集まっていたこともありますが、もともと物事に対して真面目に取り組むカルチャーがあるため、各自が自律的に学習を進めることができたと感じています。

離脱者が出ることもなかったですし、「言われてやっている」という感覚ではなく1人ひとりがしっかりと取り組んでいましたね。

山本さん:加えて運営側からは、受講をスタートして4ヵ月が経過したタイミングで、受講者を5グループに分けてオンラインでワークショップを実施しました。

グロースXの使用状況や満足度、活用事例などのヒアリングを行ったのですが、受講者の多くがとても満足していましたね。特にスマートフォンでサクサク学習できること、そしてデジタルの知識が身についてきたことによる意識の変化を評価しているメンバーが多かったです。

また、アプリの使い方や活用事例などを互いに共有することで、学びも広がり良い機会になったと感じています。

私個人としては、グロースXは「かゆいところまで手が届く」と言いますか、体系立てて細かいところまでを学べることが非常に良いなと感じています。デジタルの現場にいても、実際には実務をこなしながら覚えていくことの方が多いので、良い学習機会になっていると思いますね。

SNS施策で商品の売上げアップも。学習を実践につなげた事例を共有

山本さんグロースXの受講を経て、何より日頃のデジタルへ対する意識改革や共通言語の習得という点が成果としては最も大きかったように思います。

また、すぐに受講者全員が実際の業務へ活かす、というのは正直難しい状況ですが、一部のメンバーは学習したデジタルマーケティングの知識を早速現場で活用しています。

受講が一区切りついたタイミングで全員を集めた社内セミナーを実施したのですが、その際には4人の受講者に「学びを実務に活かせたシーン」について発表をいただきました。

例えば、クライアントである小売店様に、グロースXを通じて学んだSNS施策を提案した事例がありました。店舗で発行している小冊子にQRコードを記載してレシピ動画へ誘導、それと連動する形で小売店様のTwitterアカウントでも商品について「中の人」の声を掲載していただく、という取り組みです。

結果、他の施策の効果もありますが、対象商品の販売金額が店舗で約12倍になったという報告がありました。

湯浅さん:従来は「商品キャンペーン」と言うと、店頭で大量陳列をして、特売をして…といった形で、価格中心の訴求になりがちでした。

その点この施策は、特別なコストをかけずに、実際にその商品を召し上がった店舗の方のリアルな声からの購入を狙う、という新しい動きが実現できたケースだと思います。

山本さん:他にも、ECのクライアント様を担当する営業からは「アプリで学んだ知識をリアルタイムで広告の理解につなげることができた」「バナークリエイティブの改善につながった」といった発表もありました。

セミナーの最後に、受講者全員から一言ずつグロースXでの学びを発表してもらったのですが、多くの受講者から「デジタルの知識が身についた」「専門用語が理解できるようになった」といった声が出ていましたね。

湯浅さん:やはりデジタル領域は横文字も多いですし、「商談のシーンで言われていることがわかるようになる」だけでも大きな成果ではないかな、と思っています。それが組織における共通言語化にもつながっているので、大きなプラスだと捉えていますね。

「人が育ち、人を育てる会社」により一層磨きをかけていく

山本さんグロースXについては、希望者は現在も継続受講をしております。

当社の人材育成の方針に沿って「人が育ち、人を育てる会社」に磨きをかけていくために、引き続き研修や環境整備を進めていく所存です。

湯浅さん:特にデジタル人材という文脈では、社内にいわゆる「スペシャリスト」をどう作っていくのか、という課題は引き続きあります。

技術はどんどん進展していくため、もちろんアウトソーシングも活用していきますが、そのためにはそれをディレクションできる人材が必要です。デジタルの用語や概念、そしてシステムの構造を理解してディレションができる人材が、今後は最も必要とされるのでは、と考えています。

加えて、今後の人材育成全般ということですと、冒頭で申し上げた「自主・自律型人材の育成」がやはりベースになります。「働きやすい環境の作り方」についても、各階層の人間がしっかりと理解をしていけるように、教育体制を整備していこうと考えています。

インタビューご協力:株式会社日清製粉ウェルナ
(※2022年1月に日清フーズ株式会社から社名変更しました)

       

※既にグロースXの学習アプリをご利用中のお客様は、グロースXヘルプセンターよりお問い合わせください

 

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