―― 御社は製造業界でもいち早く、DXの専任組織を立ち上げデジタル化を推進していらっしゃいます。なぜ、佐賀工場さんは工場内で「グロースX AI・DX人材」を活用しようと思ったのですか。
おっしゃるとおり、当社ではいち早くDXを推進してきました。現場で働く社員にも、デジタル化やAI活用を促進していきたいという意識はあるものの、AIをどうやったら活用できるか、学ぶ場所がなかったのです。
そこで、まずは佐賀工場の10年先、20年先を見据えて、工場全体のリテラシー向上に取り組もうと思いました。「AIでこんなことができないだろうか」と、社員が提案できる環境を作ろうと考えたのです。日本の製造業は、世界トップクラスの「カイゼン力」を持っていると言われています。佐賀工場でも、現場スタッフがAIによるデータ活用をさらに加速できれば、もう一段上のカイゼン力を発揮できるのではないかと思いました。
学習の方法として、まずは集合型研修を検討しました。しかし、現場のスタッフは常に定型業務を抱えています。万が一、製造現場でトラブルが生じれば、即座に対応しなければなりません。結果的に、事務スタッフなど時間を割けるメンバーしか、研修に参加できないという結論に至りました。
そんな時、「グロースX AI・DX人材」を見つけました。「スキマ時間で学習できる」という点に魅力を感じ、これなら多くのスタッフが学習に参加できると思い、相談させていただきました。
―― 2022年3月に「グロースX AI・DX人材」を実際に導入・活用し、半年の学習期間を修了したわけですが、アプリ学習によって社内にどのような変化がありましたか?
私自身、アプリ学習前からある程度予備知識があったのですが、AIタイプの区分方法などは非常に参考になりました。社内でAI活用が議題に上がった際も、この区分法を「共通言語」として、スタッフ同士で議論できるようになったと感じます。
アプリ学習が刺激になったのか、アプリ監修者である野口竜司さんの本を購入し、自主学習しようというスタッフも何名か出てきました。
*参考リンク:『文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要』(野口竜司著)
スタッフが私の元へ来て、「来年こういう仕組みを導入できないか」と企画を持ちかけてくれることが徐々に増えています。「グロースX AI・DX人材」はアプリ学習だけでなく、ワークショップも開催していただき、「AI企画ワークシート」というシートに記入しました。
「100ページ分の企画を作る!」と意気込みを見せるスタッフもおり、高い積極性が見られました。
―― アプリの機能面で、印象に残っていることはありますか?
スタッフが普段から使用している、LINEなどのチャットツールと操作感が似ているため、非常に馴染みやすかったと思います。1日5分、10分といったスキマ時間で取り組みやすかったです。
また、アプリ内では適宜「確認テスト」が実施されますが、しっかりその内容を読んだかチェックされるため、いい意味で緊張感がありました。
―― 今回、アプリ学習には20名のスタッフさんが参加いただき、完了率100%という結果でした。AIリテラシーに差がある中、全員が半年間の学習を続けられた要因は、どこにあるとお考えですか。
スキマ時間で取り組みやすかったというのが、大きな要因だと思います。それ以外では、アプリ学習の進捗状況が毎日私の元へ届くので、進捗が遅れがちな人にこまめな連絡を取れたことも、全員が学習完了できた要因と言えるでしょう。
特に、3ヵ月目からは学習難易度も高くなるので、頻繁にスタッフへ声をかけていました。私たちは、基本的に自動車通勤をしています。移動中は音声学習ができるようになると、さらにスキマ時間を活用しやすくなるかもしれませんね。
―― ありがとうございます。ぜひ社内で検討していきます。アプリ学習と並行して開催したワークショップについての感想もぜひお聞かせください。
グロースXさんが開催してくれたワークショップには、アプリ学習者のうち毎回約6割のスタッフが参加していました。ワークショップは約1時間で行われましたが、発言の機会が足りないと感じるほど盛り上がりました。佐賀工場の場合は、毎回10名以上の参加者がいたので、メンバーを小分けにして開催するなど、スタッフの発言できる機会がさらに増やせたらよかったなと感じています。
多くのアプリ学習は、進捗率が100%になったら、それでおしまいというサービスが多い気がします。「グロースX AI・DX人材」で6ヶ月という長丁場の学習を続けられたのは、アプリで学んだ内容をワークショップでアウトプットできたからです。アウトプットを聞いたスタッフも、「もっと勉強しよう」とモチベーションを維持できました。
―― 角さんは、「グロースX AI・DX人材」はどんな企業・団体・人におすすめできると思いましたか?
そうですね…。アプリ学習というとっつきやすさを考えると、ぜひ学生に取り組んでほしいと感じました。今は、文系でもAIの知識が必須と言われている時代です。これまでAIに接する機会がなかった人も、アプリ学習なら始めやすいと思います。
「グロースX AI・DX人材」が学生向けにいい教材だと感じたのは、私の子どもにも紹介したいと思ったからなのですが(笑)。アプリ学習を一通り進めてから社会に出れば、その後の働き方が大きく変わるだろうと思いました。
―― ありがとうございます。私たちにとって、そのお言葉は最高の賛辞です。
近年日本の労働力不足が深刻化してきていますが、その問題の解消に対しても、AI活用は大きな足がかりになると思います。私たちも引き続きスタッフのAI活用のリテラシー向上に取り組んでいきたいと思います。
(インタビューご協力:株式会社ブリヂストン 様)