――まずは貴社のサービスについて教えてください。
尾野さん
東名阪を中心に、ビジネスパーソンやクリエイター、学生に向けて、データのプリントやコピーなどのプリンティングサービスを提供しています。直営とフランチャイズを合わせて約50店舗を運営しています。
ビジネスユースのお客様には、店舗装飾やイベントでの展示物、デザインクリエイティブの制作など幅広い商品をご提供しています。また、ビジネスユースで1度ご利用いただいたお客様に、いかに継続的にご利用いただくか、という点が我々のビジネスモデルの重要なポイントです。
我々の所属する事業推進部は、「メンバーの教育・育成」と「セールスイネーブルメント」の役割を持っています。
「メンバーの教育・育成」は、各メンバーに必要なスキルを身につけてもらうこと。「セールスイネーブルメント」は、SFAの活用推進やサステナブル・DXなど、商品として展開しているサービスに関する専門的な知見をサポートする役割です。
今回は、この事業推進部だけでなく、マーケティング部、事業運営部(営業)の合計140名がグロースXを受講しました。
――なぜマーケティング研修を導入しようと思われたのでしょうか?
尾野さん
まず一つ目は、コロナ禍を経験して、事業継続のためにより強い組織になる必要性を痛感し、学習ニーズが社内で高まったことです。
プリンティングサービスは、リアルのプロモーションやコミュニケーションをご支援します。そうした機会がコロナ禍で激減し、弊社も大きな影響を受けました。それ以前から「紙の利用が減少しつつある」という顕在化した課題に対して、何らか対策する必要性を議論していたのですが、コロナをキッカケに火急となったと感じています。
次に二つ目は、全社でDXを推進していくために、まさにデジタル(Digital)時代のマーケティングに対する教育の必要性が高まったことです。
お客様の状況やマーケット全体の動向を捉えるために、マーケティングの知識は不可欠だと考えています。これまでマーケティング研修を取り入れたことは無かったのですが、マーケティング知識を身につけることでお客様に提供する価値を高め、それが継続的なお取引に繋がっていくと考えて、マーケティング研修を導入することになりました。
――なぜグロースXを選ばれたのでしょうか?
尾野さん
マーケティングの研修を検討していたタイミングに参加したイベントでグロースXを知ったのが、初めての接触機会だったと記憶しています。その場ですぐ興味を持ち、サービスについて検索して、問い合わせをさせていただきました。
使ってみると、UIが非常に使いやすいと感じました。操作性も高いので、初めての利用でも問題なく使いこなすことができました。ちょっとしたスキマ時間にすぐアプリを立ち上げられるので、時間の有効活用にもなっていたと思います。学習コンテンツは会話がチャット形式で紡がれているので、難しいことが難しく書かれていないと言いますか、とても読み進めやすいスタイルだなと感じました。
弊社のビジネス形態は”お客様と接する機会”が多いので、必然的に会話やコミュニケーションを取る回数は多い方だと思いますし、その機会のひとつひとつをとても大切にしています。お客様と接して、そのご希望に寄り添ったご提案をする。そうしてご提供できる価値こそが、他社と差別化になるポイントだと考えています。そういったコミュニケーションを大切にする企業文化が、双方向性に学習を進められる、チームで足並みを揃えて学習する、というグロースXの方針にとてもフィットしていると感じています。
学習コンテンツの中身についてですが、営業とマーケティング、そして我々事業推進が一緒になって視線を揃える、という意味において、ちょうどよい粒度だったと思います。アカデミックな要素も押さえつつ、日々の業務や、お客様との会話でも使えるコンテンツも含まれていると分かって、使いこなすイメージを持ちやすかったです。
「アプリでの学びやすさ」と「適切な粒度のコンテンツ」が揃っている研修はグロースXのみで、他に比較対象が無かったこともあり、スムーズな導入に繋がりました。
――グロースXを導入して、どんな効果がありましたか?
尾野さん
営業現場での企画力は着実に向上している、と報告を受けています。ご提案の案件数も、以前より増えていますね。
これまでは自分たちのサービス・商品を端的に提案するスタイルでしたが、マーケティングの全体像を理解できたことでより上流からのご提案ができるようになりました。これまでしてこなかったご提案をしてお客様に感謝された、という現場の声も上がっています。
弊社では「お客様にファンになっていただき、継続的にご利用いただく」ことを目標の一つに掲げています。知識を得て幅広いご提案ができるようになったことで、お客様にファンになっていただく一歩を踏み出せたのではないかと感じています。
林さん
もう一つは、学習を自分ごと化し、積極的に学べるような意識付けができたことですね。
ビジネスモデル的に納期が非常に重要なので、決められたものはしっかり期限内にやりきる、という企業文化は元からありました。ただ、これまでは研修というとどうしても「やらされ感」があったのは否めませんでした。業務にプラスアルファして「やらなければいけない」ものというネガティブに捉えられていました。ですが、本来は教育・育成はそれぞれのメンバーにとってとても良いもの・有効なものですし、どんどんスキルアップして活躍してもらいたいんです。そのためには、研修にポジティブな想いを持って欲しい。それを実現できるのがグロースXだったんです。
各部門の上司も巻き込んで、学習進捗を確認してもらったり、研修開始のタイミングで上層部からビシっと気合いを入れてもらったりなど、気持ちを盛り上げていくための工夫もしました。また日常的には、週次〜月次で社内メルマガを作り、各チームの取り組みの工夫を楽しく伝えたり、社内ですれ違った時に声をかけたり、とにかく受講者の皆さんとグロースXの接触頻度を高めるような工夫を実践しました。
毎日決まった時間にやり続けることが大変だったり、学習が習慣化するまでは苦労したメンバーもいたようですが、「全員から見られている」という程良いプレッシャーが効果的だったようで、完了率はかなり高かったです。そのおかげで、部署内で声を掛け合ったり、F2転換/バリュープロポジション/ファン化などのキーワードが社内のバズワードになったりしていきました。今ではグロースXの学習コンテンツに登場するキーワードが自然と日常の会話で出てくるようになり、部署間のコミュニケーションもより頻度が高まったと感じています。
【受講者向けの社内メルマガ 〜林NEWS〜】
自分ごと化できるようになったのは、月に1回開催していた共通言語MTGの存在も大きかったですね。新しく学んだことをアクションに移せるように、アウトプットの質を意識しました。
ワークショップでは、敢えて別々の部署のメンバーが混ざるようにグループを構成し、お互いの部門の考え方や方向性を身近に感じて理解してもらえるようにしました。部署が分かれていると、プロジェクトなどが無い限りはそこまで業務で絡むことはないのですが、ワークショップで交流できたことで新たな関係性が作られたようです。お客様へのご提案について部門をまたいで相談したり、商談に別の部署のメンバーに同行を依頼してチームでご提案をするケースが出てきています。
こういった変化と共に、学習をやり切った自信・達成感、部署を超えた人との繋がり、学んだことを実践して得た手応え、受講したメンバーにとって学習がとてもポジティブなものに転換したと感じます。部門ごとに競ったり、お互いに刺激を受けつつ与えつつ学習を進めたことで楽しくやり切れたようです。
――他の方にグロースXをお勧めできる点をあげるとしたら、どういった点でしょうか?
林さん
グロースXで学習できるマーケティングの知識は、特定の業種や職種、部門に限らず、広く様々な領域に役立てられると思います。ですので、広い意味で「お客様に関わる業務をしている方」には、ためになるのではないでしょうか。
弊社の事業に照らしてお伝えすると、店舗を持っているビジネスモデルの企業さんには特にお勧めですね。弊社は店舗(リアル)もオンラインも運営しているので、その分いろいろな部署がありますが、それぞれの視点が揃ったのは大きな効果だったと感じています。
また、各部門が多少でも関わりながら業務を進める体制の企業さんには、より効果的かと思います。どうしても、日常業務ではそれぞれの部署の立場で物事を考えてしまいます。ですが、「お客様のために」という視点が合い、知識レベルが揃ってくると、各メンバーの能力が掛け算で広がっていくんですよね。自身の領域を超えて、お互いに良い意味で影響し合える組織が、徐々に出来上がっていくのを感じました。
――貴社の今後の取り組みについて、教えてください。
尾野さん
学習して身につけたことを元に、一層良いサービスをお客様にお届けしていきたいですね。
具体的には、継続的に利用して下さるお客様に価値を感じて頂くまでの工程に段階的なKPIを設置し、その達成に向けて取り組んでいくことでしょうか。
お客様に寄り添い、高いクオリティのサービスをご提供し、また同時に幅広いご提案を差し上げていくことで、パートナーになっていければと考えています。その上で、ご利用回数が増え、ご利用規模が拡大していくことが理想です。
林さん
身についた学習習慣を活かして、ステップアップに繋げていければと考えています。
グロースXを経験したことで、着実に学習習慣がついているなと感じています。さらに、先ほどもお伝えした通り学習や研修に対してポジティブな印象へマインドチェンジしてきているんです。この流れを活かして、よりメンバー全体が進化できるような体制を構築していきたいと考えています。
今回は貴重なお話をありがとうございました!
キンコーズ・ジャパン株式会社様