導入実績 アーカイブ - グロースX | 業績につながる人材育成サービス

全社のマーケティング知識の底上げが、事業の成長エンジンを担える理由

作成者: 管理者|2023.4.10

共通言語がないことで、事業の成長スピードが鈍化する

―― 「グロースX」の導入理由をお聞かせください。

ラクスルは中途入社者が多い会社です。前職の規模や業界もさまざまで、大手メーカーでマーケティング担当だった人もいますし、私のようにコンサル出身でマーケティングに関してはほぼ素人という場合もあります。バックグラウンドが同じではないので、当然マーケティング知識にもばらつきがありました。得意な人は良いけれど、そうでない人は担当事業をどのようなマーケティング視点で考え伸ばしていけば良いかがわからないという状態だったので、共通言語を作り、全体のレベルを底上げするためにと導入を決めました。

ラクスル事業本部・印刷事業部 岩田さん

―― マーケティング知識のベースが揃っていないことで起きる問題とは何でしょうか?

グロースX導入を主導した執行役員の前田のエピソードです。前田はEC畑を歩んできたため、「なんでこんなに話が通じないのだろう」と感じていたようです。例えば、CPA(顧客・成果を獲得するために、1人あたりにかかった費用)やCPO(1件の注文を受注するのにかかった費用)という単語が全員には伝わっていませんでした。

ただ問題は「話が通じないこと」ではなく、何か施策を始めようとするときに、議論が発展せず実行に移す機運が生まれにくいことにありました。ラクスルの事業・組織を次のレベルに引き上げていくにあたって、スピード感をあげていくためにレベルを底上げしようという判断になりました。

ラクスルには、印刷事業以外にもノベルティやアパレル・段ボールといったように多数の事業があります。縦割り構造のため、事業の意思決定は迅速な一方で、他の部署の考えが見えにくい場合もありました。事業特性が違うため一定は仕方がない部分はありますが、共通で必要となるマーケティングの考え方はありませんでした。そのため、部門を横断してマーケティングレベルを上げようと考えたわけです。

―― 受講者の所属部門はさまざまだったということでしょうか?

はい。印刷事業部に集客事業部、ノベルティ事業部やアパレル事業部、他には調達部門と事業部を越え、部署もマーケティング部やBizdev/Salesメンバーだけではなくプロダクトマネジャーなど幅広く受講しました。ラクスルはビジョンオリエンテッドな会社でありながらも、個々の事業が独立しており、それぞれの方針が強い側面がありました。現在は一定規模に成長したタイミングであり、改めて横串を通した取り組みをしていこうと動き始めたところでした。部門を横断して議論をするという意味でも、「グロースX マーケティング」はちょうど良いタイミングでしたね。

 

「グロースX マーケティング」をきっかけに、自部署だけでなく他部署の状況理解が進む

―― 受講者に変化はありましたか?

「考え方の整理ができた」という声が断トツで多かったです。共通言語を持ち考え方を整理できたことが、間違いなく効いているなと感じています。1ヶ月毎にカリキュラムを振り返り議論をする時間を設けていましたが、それも大事な時間でした。

事業部や役割・職種が異なる人たちが集っているので、議論が活発に交わされ、そういう観点があるかこの部署だとそう受け取るのかと自分がマーケティングの基礎を学ぶ以外に、他部署・他者の視点からのインプットの機会になったことは、非常に大きかったです。

―― 良い変化を生むための運営側の工夫があれば教えてください。

学習意欲の高いリーダー層をまず最初の受講者として選んだことです。また、部署の垣根を超え、業務にマーケティングの観点が必要な人たちを選んだことも、良かった要因だと思います。

その他には、研修の振り返りのメンバーのグルーピングやテーマ設定を工夫しました。同じような視点で話した方が盛り上がりそうな場合は同じ事業部で集め、さまざまな視点があった方が実りがありそうな場合は混合にすることを意識しました。

テーマ設定では、NPS(顧客推奨度。顧客の継続利用意向を知るための指標)が縦軸で、横軸が各要素の満足度というアクションドライバーチャートを、事業部毎のグルーピングで作ってもらったことがありました。事業部毎に何がNPSに効いてくるのかを出してみたら、各事業部が全然違う答えになったんです。

(振り返り資料から引用)

実は、その前月の振返りでは所属とは異なる他部署の事業において、何を改善したらお客さんの満足度が高まり評判を拡散してくれるのかを、グロースXのアプリで学んだフレームワークを元にブレストしていました。他事業部のことを考えるフェーズで発散して、自分の事業部では収束させることで、より多角的で充実した議論になったのではと思います。

「熱狂的ファンを生むためにはどうすればいいか」というテーマはかなり盛り上がりましたね。ラクスルはテレビCMのインパクトが強く、新しいお客さまの多くがテレビCMを見たというケースです。CMを見て連絡をくださった後、どうすればお客さまが評判を広げてくださるか。このテーマで上がった意見はどれも面白かったです。

 

運営担当者がまず「面白い」と思うことから

―― 試しながらとはいえ、振り返りのテーマ設定などは難易度が高そうです。良いテーマ設定のコツはありますか?

受講者の関心を考えて、試行錯誤するしかないと思います。先ほどご紹介したケースは、私自身がおもしろいと思えるかどうかで決めました。というのも、受講ターゲット層の真ん中に自分がいる感覚だったからです。ラクスルは、自分の意見を忌憚なく発信できて、議論が好きな人たちが集う会社なのでどのテーマ設定であっても活発な議論になると思います。

もしテーマ設定に悩むようなら、グロースXの担当者さんに相談するのが良いのではないでしょうか。マーケティング知識があり客観的に伴走してくれている存在は心強いですね

―― 「共通言語を持つ」「マーケティング知識レベルの底上げをする」がある程度実現した今、次の目標は見えていますか?

マーケティング部署のメンバーや事業部内で話す時に、以前より議論が活発化し、建設的になっていると感じます。この状態は、受講3ヶ月前後でもう実現していて、今や当たり前になりました。元々の狙いだった「ラクスルという事業・組織を、次のレベルに引き上げていく」というスタートラインには立っていると思います。

樹木に例えると、全員で大きな幹を作り、土台が整いつつある感覚です。ここから事業部毎の取り組みに向け具体的にどう枝分かれして、全体として大きな木になっていけるのか。これからの変化が楽しみですね。

 

(インタビューご協力:ラクスル株式会社 様)