――御社Live2Dさまの社風やカルチャーには、どんな特徴がありますか?
東舘さん: 弊社にはもともとLive2Dのユーザーが多く、サービスへの熱量が高いことが挙げられます。この点は、顧客理解という部分でも強みになっていると思います。
会社としては、Live2Dという表現分野を世界的に確立させ、「100年後にも残り続ける技術」として発展するために成長してきたと思います。
現在社員は100名を超え、ソフトウェアの販売も海外が半分を超えていますが、今後、Live2Dがグローバルに発展していくためには、メンバー各々が「私は○○のプロです」「この道のプロを目指しています」と言える環境を整え、彼らのキャリアップを支援することが不可欠だと感じています。実際、私のチームのメンバーからも「個人としてスキルアップしたい」「マーケティング分野を学びたい」という要望は強いです。
日本企業は、人材育成に割く投資が少ないと言われます。私は、留学していたアメリカでのインターンシップやドイツの企業で働いた経験がありますが、確かに人材育成に多くの費用と時間をかけていました。Live2Dでも、メンバーがキャリアアップできるような支援をすることで、チームが楽しく仕事をしながら事業が発展できるようにしたいと思ったんです。
――その過程で、「グロースX マーケティング」を導入した背景を教えてください。
東舘さん: 『メンバーのキャリアアップ』と『チームとしての発展』を進めるためには、メンバー間に共通言語が必要だと思いました。しかし、マーケティングに関する知識や用語は膨大にあり、「LTV」や「F2転換」「CTA」など横文字や抽象的なものも多いので、理解度や認識が人によってバラバラです。
そこに推薦図書や自習時間のような『ひとりでインプット』を促しても個人間のバラつきがますます大きくなってしまいます。なので、グロースXのように共通の教材を使って『みんなでアウトプット』するほうが共通言語の獲得には有効そうだし、なによりみんなで勉強したら同級生みたいな感じで楽しいかな、と思いました。
また、グロースXを監修されている西井敏恭さん(グロースX取締役CMO)の著書を数年前に読んだのですが、そこに書かれていた「顧客の成功」についての考え方がとても参考になったのもグロースX導入のきっかけです。
私たちは、クリエイター向けツールを提供している以上、最も重要なことは『顧客=クリエイターの成功にどう貢献できるか』だと思っています。
――「グロースX マーケティング」を修了した今、サービスを利用した感想をお聞かせください。
東舘さん: 教材のインプットだけでなく「アウトプット会議」というアウトプットする場が設計されている点が大きかったと思います。毎月の「アウトプット会議」では、メンバーをシャッフルしてグループに分け、その月に学んだことや今後のアクション案を一人2案ずつ発表し、お互いの発表についてリアクションする時間にしました。
こうしたアウトプットのおかげで、メンバーの意識にさまざまな好影響があったと思います。
――具体的に、どんなところに好影響を感じましたか?
東舘さん: メンバーの長期的なキャリアアップを狙って導入した「グロースX マーケティング」ですので、その効果を見る一つの方法として、12カ月間の修了後、参加メンバーに直接アンケートを取ってみました。
「実際の業務に役立っている」という声も多く見られたのですが、私としては、90%以上のメンバーが、「中長期的な自己成長に良い影響がありそう」と感じている点に、このサービスの本当の価値を感じています。
――「グロースX マーケティング」を他の方へ勧めるとしたら、どんな点をおすすめしますか?
東舘さん: 教材の完成度も高いのですが、私にとって「グロース X マーケティング」の価値は、アウトプットおよび『メンバーで一緒に取り組む』というコミュニティ的側面のほうが大きいです。
先ほどのアンケートで面白かったのは、「自分のチームメンバーの理解が進んだ」という声よりも「他のチームの理解が進んだ」という声のほうが多かったことです。今回は、マーケティング部門だけでなく、製品開発部門やデザイナー部門からも有志の参加者がいたので、『みんなでアウトプット』を繰り返すことでお互いの考えを知るきっかけになったようです。
全員が同じテーマでインプットし、他メンバーのアウトプットを見て刺激を得る。そこで起こるメンバー間の化学反応にこそ、このサービスの価値が凝縮されていると思います。
それと、スマホのチャット方式という誰もが慣れ親しんだUI設計になっている点も大きいですね。「UI自体に慣れるコスト」が一切必要ないのは素晴らしいと思います。その結果、このサービスの根幹である体験の価値を感じやすくなっていると思います。
――ありがとうございます。体験価値をより感じやすくするために、サービスやコンテンツを今後どう改善すべきだと思いますか?
東舘さん: 12カ月間という長丁場の学習において、7カ月目以降からは学習難易度が高くなるので、特に業務と関連性が低い非マーケティング部署のメンバーは脱落リスクが高くなると感じました。
所属部署に関わらず共通するエッセンスは、4カ月目くらいまでで掴めるので、短期のカジュアルプランもあると導入しやすくなるのではないでしょうか。実際、修了者アンケートでも「他のメンバーにもグロースXを体験してほしい」と感じたメンバーが多かったので、こうしたプランがあるとありがたいです。
――最後に、今後の御社のマーケティング施策についてお聞かせください。
東舘さん: 弊社は、サブスクリプション販売方式でクリエイターにツールを提供しています。「短期的にどう売るか」よりも、「中長期的にどうクリエイター=顧客の成功に貢献するか」を追求していきたいです。
弊社は元ユーザーのメンバーが多く、顧客理解度は高いつもりでいました。ただ、これはあくまで「自分に近いユーザー層を肌感覚で理解できる」に留まります。「Live2D」はユーザーの半分以上が海外なので、それだけでは足りない点も多いんですね。
「グロースX マーケティング」のおかげで、顧客をより深く理解しよう、数字をちゃんと見よう、という意識が高まりました。顧客からアンケートを積極的に取るようになり、その結果や分析を元に「こんな企画を立ててみました」という施策が多く上がるようになりました。
――元々、肌感覚として持っていた顧客理解や顧客の成功を願う熱意が、「グロースX マーケティング」でさらに強化されたんですね。
東舘さん: そうかもしれません。グロースXのおかげで、みんなの共通言語が増え、より共通認識を持って仕事ができている気がします。今後もメンバーがキャリアアップできるような支援を続け、チームが楽しく仕事をしながら事業を発展させていきたいと思っています。
(インタビューご協力:株式会社Live2D 様)