左:三好 様 右:川村 様
株式会社ノヴィータはお客様のデジタルマーケティングを支援する会社で、企業のWebサイト制作・運用などをしています。さらに、働くママを応援する2つのWebメディアも運営しており、お客様視点でも自社視点でもデジタルマーケティングと日々向き合っています。『LAXIC(ラシク)』というWebメディアではワーキングマザーのみならず、パパ、上司、子どもたちなどにもクローズアップしながら、自分らしい働き方や中長期のキャリアを考えるきっかけ作りとともに、等身大のママの喜びや悩みなどを伝えています。
社内でもリモートワークや時短勤務を採用し、社員の多様な働き方を支援しています。
ノヴィータでは導入後、「メンバーの視座が高くなった」などの成果を出しつつあるそうです。その裏には、多様な働き方を叶えるために日頃から意識的に行なっている「可視化」がありました。
今回は、ノヴィータでの成功の秘訣である「可視化」に注目しながら、多様な働き方を支援する組織について、そして、スキルアップのグロースXの活用について、代表取締役社長・三好さん、クリエイティブ事業部 部長・川村さんに伺いました。
―――ノヴィータでは働くママを支援するメディアや事業を展開されていますよね。なにがきっかけで、取り組みを始められたのですか?
三好さん:私の実体験がきっかけです。2015年、私が代表に就任した直後に妊娠、翌年には子どもが生まれました。仕事と育児を両立しようと考えていたのですが、それぞれの仕事が属人化してしまっていて、両立のペースに戸惑ったこともあって、自分の仕事を他のメンバーになかなか任せることができませんでした。
ただ、今後、他の社員も子どもが生まれて働くことがあるだろうし、今回に限ったことではないなって思って。だからまずは、私が率先して「ママが働く時にもやもやするポイント」について、課題解決しようと社内で取り組みを始めました。LAXIC(ラシク)での取材の過程でも働くママの問題に出会い、働きたくても働き続けられない状況にいるママの声を聞き、その深刻さを痛感しました。そこから、Webメディアの発信や地方の女性就労問題の取り組みも始めたんです。
―――ご自身の課題から社会課題の解決に広がったのですね。社内の働き方はどう改善されたのでしょうか?
三好さん:個人ではなく、チームとして働くことができる仕組みをつくりはじめました。ママだけでなくパパも含め、働く親は子どもが病気になるなど急に休まざるをえない場合がある。普段からチームとして連携できていたら、他のメンバーが補うことができます。
また、チームとして働くことで多様な働き方を実現できると考えています。リモートワークをしたり、時短勤務ができるのは、普段からチーム内でコミュニケーションができているからだと思っています。
―――なるほど。チーム作りが肝になりそうですね。どのようにチームで仕事ができるようにしているのでしょうか。
川村さん:属人化している知識や技術をできるだけノウハウ化して、チームに共有することが大事ですね。ツールとしてはチャットアプリ『Slack』を活用してコミュニケーションをスムーズにしたり、リモートワークの社員も参加できるようオンライン会議を行っています。
三好さん:あとシンプルで大事なことが、社員の働き方を可視化することです。ノヴィータでは四半期単位だけでなく、日毎に業務を振り返っています。誰が、どんな仕事をしているのか、労働時間はどのくらいか、成果はどれほど出しているのかが、全社員に対して可視化された状況を意識的に作っています。マネージャーが把握するのはもちろん、メンバー間もお互いの動きが分かれば、急に休むときもお互いサポートしやすいです。
―――「可視化」により、協力しあえるチームを作っているのですね。
―――「チームとして働くことができる組織を作られている」とのことですが、マーケティングの学習についてはこれまでどのように行われていたのですか?
三好さん:チームとして働く環境が整ってきた一方で、属人化の領域はまだありました。マーケティングの教育がその一つで、OJTが中心でした。
OJTでは教える人によってスキルや知識が偏ります。私達もOJTでマーケティングを学んできたので、体系的に教育するにも、“正しい教え方”がわからなかったんです。
川村さん:学習の継続も課題でした。読書を推奨したり勉強会を開いたりしましたが、学習の進捗がはかりづらく、知識の定着度もチェックできない。繁忙期になると機会が流れがちでした。
三好さん:マーケティングを網羅的に学ぶことができ、月ごとに社員で足並みを揃えて学習を進めることができる。グロースXは、今のノヴィータにフィットしていると思い、導入を決めました。
―――現在はどのようなメンバーの方が利用しているんでしょうか?
三好さん:人数は20人弱。部署はさまざまですね。クリエイティブ、ディレクションの担当メンバーはもちろん、バックオフィスや地方勤務のママにも使ってもらっています。ある程度のデジタルマーケティングの素養があるメンバーもいれば、地方勤務のママはこれまでのキャリアでデジタルマーケティングに関わってこなかったため、知識がほとんどゼロの状態からスタートしています。
―――本当に幅広いですね。デジタルマーケティングに直接関わらない社員の方にも、グロースXを利用していただいている理由を教えてください。
三好さん:デジタルマーケティングに直接関わらないメンバーは、強制ではなく、有志です。学ぶ機会は社員全員に提供できたらと思ったんです。
それに間接的なものも含めると、デジタルマーケティングが関係しない仕事なんてほとんどありません。ですから知識や視点を理解することで、良い影響が確実にあるはずだと思いました。
―――有志だったんですね!嬉しいです。多くの仕事でデジタルマーケティングの視点が重要視されていますからね。ちなみに社員さんはどのようなときに利用されていますか?
川村さん:それぞれの社員が、各々の隙間時間に進めていますね。スマホアプリだと自分の都合のいいタイミングにいつでもできるので、学習の継続につながっていると感じます。
―――様々なポジションの社員さんにご利用いただいているとのことですが、導入後に変化はありましたか?
川村さん:社員の視座が高くなったと感じますね。例えば、Webページ制作の案件についての社内会議で、デザイナーが「クライアントがターゲットとしているユーザーとWebページがマッチしているか」という視点を持って、クリエイティブについての意見をくれるようになりました。
三好さん:以前は、Webページを制作することがゴールになってしまっていたメンバーも、安定した運用まで見据えて制作してくれます。
川村さん:また、広告代理店のクライアント様に対して、クリエイティブのメンバーがより深く、専門的なコミュニケーションできるようになったと感じています。以前はデジタルマーケティングの細かい専門用語まで追いきれていなかったのですが、今では網羅的な知識が身につくことで、顧客の要望を深いレベルで理解できるようになりました。より顧客目線でサービスを提供できるようになっていると感じます。
―――とても嬉しい変化です!ちなみに、なぜそのような変化が起きたと思われますか?
三好さん:グロースXはマーケティングの定義や姿勢から学べますし、デジタルマーケティングの知識を網羅的に学べるので、ワークフローの全体像が可視化されたんですよね。自身がそのワークフローの中でどのような役割を担っているのが本質的に分かるようになったのではないかと。「今の仕事が顧客の価値創出にどうつながるか」「目的はどこなのか」を把握できるので、上流の視点から意見を出せるのだと思います。
川村さん:ノヴィータではマーケティング支援を通じた顧客の価値創出という目的のもとにサービスを提供しているので、そのことを会社から社員へのメッセージとして何度も伝えていましたが、おそらく腑に落ちていなかった。でも必要な知識がつくことで、自分で考えられる材料を得られたのだと思います。
―――コミュニケーションに変化はありましたか?
三好さん:社員のモチベーションややりたいことが見えるツールが増えたので、機会提供がしやすくなりましたね。意見の吸い上げができるような仕組みはいくつかありますが、グロースXのアンケート機能で「この広告についてあなたはどれくらいやってみたいと思いましたか?」「どのように活用したいですか?」と、マーケティング領域に対するモチベーションやアイデアを、業務とは違うところで社員がラフに伝えることができる良い仕組みだと思っています。
―――アンケート機能をご活用いただけているようで嬉しいです。実際に吸い上げた意見はどのように活用されていますか。
三好さん:これまでとは違う方向から、意見や思いを吸い上げられていると思います。アプリ利用社員全員から、一律で吸い上げることができるので、社員のアイデアとモチベーションを可視化することができています。
例えば、新規事業の一手を考えているときなら、グロースXでその領域について、声を上げている社員に相談してみたいなと思います。
―――「グロースX」は今後もどんどんアップデートしていく予定です。ご要望などをぜひお聞かせください。
川村さん:アプリの中で部下の進捗を管理できる機能があったらいいですね。学習の継続率を上げるには、グロースXをはじめるタイミングでいかに学習のペースを作るかだと思います。管理者が部下と伴走できるような機能がほしいですね。
―――ご意見ありがとうございます。ぜひ、実装したいと思います…!最後に、グロースXを通して社員に届けたいことをお聞かせください!
(※現在、学習動向・進捗を確認できるダッシュボード機能が搭載されています)
三好さん:主体的に、自分で仕事をハンドルできる楽しさを知ってもらえたらいいですね。マーケティング全体像の中で自分のポジションや自分の仕事を捉えることで、大きな目的が見えて、周りの仕事との関係が見えて、連携をするともっと効果が高まることが見えてきます。そうなれば、これまでやったことがない仕事に対しても主体性を持って、自分の貢献を感じながら働けるようになるのではないかと思っています。
それから、デジタルマーケティングの知識って業績向上以外にも活きると思ってるんです。キャリアステップを考えること、友達とのコミュニケーション、日々の子育て。生活者の視点以外に背景や見えるものが増え、きっといい影響があるはず。デジタルマーケティングの知識や視点は、社員一人ひとりが自分らしい人生を選び取るための、武器の一つにもなると思っています。
(インタビューご協力:株式会社ノヴィータ様)